1週間がたった
ドナーは見つからなかった
裕太が病室に来てくれる
「駿くんは?」
裕「用事終わったら来るらしい」
「そーなんや」
正直期待していたのかもしれない
見つかるって
でもやはりドナーは見つからなかった
裕「大丈夫、あなた。まだ可能性はある」
裕太が励ましてくれる
でも私の体は着実に悪くなっていっている
自分の体だからこそ分かる
今日見つからないとダメだ
今日見つかる可能性も勿論ある
でもすぐ移植するには
この病院で亡くなってすぐの人でないといけない
可能性は低い
それでも諦めきれない自分に腹が立つ
裕太と駿くんに生きてることがどれだけ素晴らしいのか教えて貰えた
もう昔みたいに死んでもいいなんて思わない
『あなたさん!あなたさん!』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!