次の日
裕太と駿くんがまた来てくれた
裕太と駿くんにはまだドナーのことは知らせていない
何も知らない裕太はいつも通り元気に話してくれた
「あのさ」
私が重い口を動かす
裕太&駿「ん?」
私は昨日あったことを説明した
裕太「あと、1週間…」
駿くんは黙り込んでいる
説明し終わった瞬間
裕「ごめん、ちょっと俺…」
そう言って裕太は席を外した
病室には駿くんと私が残された
「ごめんね」
私は少し笑って言った
駿「あなたのせいじゃない」
駿「ごめん、俺、何も出来なくて…」
駿くんは何も悪くないのに
私は駿くんまでも泣かせてしまった
駿くんの涙に私も耐えきれなくなって泣いてしまった
駿「あなたが1番辛いはずなのに…ごめん、ごめん。」
「こんなんじゃ、裕太に振られちゃうかな…ははっ」
「裕太もこんな彼女じゃ嫌だよね…」
駿「そんなことない、裕太はちゃんとあなたの気持ちを分かってる。でも今は混乱しているだけだ」
いつも私は駿くんに助けられてばかりだ
「駿くん…。ありがとう、ごめんね…」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。