目が覚めると私の周りには母親と看護師さんと先生がいた
私が目を覚ましたことに気づくと、お母さんが先生に目線を送る
私は寝起きでなんのことか分からず誰かが喋るのを待っていると
先生が口を開いた
先「あなたさん、落ち着いて聞いてくださいね」
先生は少し神妙な面持ちで言う
「はい」
先「最近あなたさん体の調子が悪かったですよね」
「は、はい 」
先「突発性心筋症が悪化してきていて薬だけでは耐えきれなくなっています…」
「え?」
先「つまり心臓の移植が必要ということです」
先「ですがドナーになる心臓は未だ見つかっていません、また,ドナーが見つかっても,亡くなってすぐの物でなければ後遺症が残る可能性もあります、」
先「薬で耐えるのも限界です。あと2週間…いや1週間、その間にドナーが見つからないと…。覚悟しておいて下さい」
母親が泣いて私を見ていた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!