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第13話

まぁいっか
570
2020/05/23 13:36
シャオロン
なぁなぁあなた!今日も一緒に放課後回らへん〜?
あなた
いいよ!私委員会決めたけど、部活は決めてないからね…
シャオロン
それも決めていこうぜ!
1番近いのは吹奏楽部らしいしそこから見に行きたいな!
あなた
いいよ、一緒に行こうか。
と、シャオロンと一緒に部活動を見に行くという約束をした。

すごく楽しみ。
そして朝のホームルームが終わった後、鬱先生から呼ばれた。
あなた
な、なんですか?
鬱先生
ん、この紙に書いてあること読んでみ。
あなた
…体育祭?
鬱先生
そう、これの企画運営は生徒会から人が選出されるからあなたちゃんにも関係があるってこと。
あなた
…わざわざ呼んでまで、ありがとうございます。早めにプリント頂けるの助かります。
こうやって早めにプリントを頂けて事前準備ができるだけ有難い。

明日にでもグルッペンさんや…居なければトントンさんに会って決めていこう。
鬱先生
(ほんとはあなたちゃんと少しでも過ごしたかっただけなんだけど、…生徒と先生じゃ長い時間作ると怪しまれるしな。今日はこの辺にしとくか。)
鬱先生
うん、まぁもしかしたらあなたちゃんが企画運営するかもしんないしね…そんときは頑張って?
あなた
はい…!
鬱先生
(うっわ…笑顔可愛い。)
礼を言って、教室から出た。
鬱先生はニッコリ笑いながら、ささやかな手を振り返してくれてこちらも嬉しくなった。

ーーーーーーーーーーーーー
あなた
失礼します。
シャオロン
失礼しまーす。
ここは吹奏楽部の教室、トランペットやトロンボーン、木琴や琴や笛など多様な楽器が沢山ある。

教室のドアを開けると、聞こえてくるのは様々な美しいメロディー。

合わせていなくともバラバラの始まりでも、どの音も綺麗で聞き惚れてしまう。
中でも、1番耳に入ったのはピアノの音だった。
あなた
!?…ぐ、グルッペンさん!?
シャオロン
お〜グルちゃん、ピアノ弾いてんじゃ〜ん!
思わず聞き惚れちゃったよ〜!
グルッペン
む…ああ!あなたか!
おお吹奏楽部を見に来てくれたんだな、光栄だゾ!!
シャオロン
グルちゃん、またピアノの腕上がった気がする。どこまで成長するんだか楽しみだよ。
グルッペン
ガハハ!ありがとう!旧友にそう言われるのはとても喜ばしいことだゾ!
シャオロンと私に気づいた瞬間、花が咲いたような笑顔をこちらに向けてきた。

思わず、口をんッとしてしまう。
かっこいい。ピアノも弾けて、演説のような挨拶も軽々とこなして、なんて素敵な人なんだと本当に思う。
あなた
グルッペンさん…凄いです。
グルッペン
むっ…?
あなた
すごくかっこよかったです!入学初日の挨拶の時にも思ったんですけど堂々としていて凛々しくて!しかもピアノまでこんなにも魅力的に弾けるのって本当にすごいと思います!それから…!
興奮してしまって、はあはぁと息が荒ぶる。
喋るのに疲れてしまって下を向いていたが、グルッペンさんの顔を見ると、
グルッペン
グルッペン
…っ///
照れていた。
あなた
…ぐ、グルッペンさん?
グルッペン
う、うるさい!こっちを見るな!///
シャオロン
(真正面から純粋に褒められるのには慣れてないよな。アイツ)
シャオロン
(ていうか俺、あなたを意識させるんじゃなかったのか!?他のやつにあなたを意識させてどうする!?)
なんて俺が悩んでると、それ以上に悩んだ好きな女の子が涙目で震えながらこちらを見てきた。
あなた
し、シャオロン〜!どうしよう!グルッペンさん私の方向いてくれないよ!
様子を見ると、完全に恥か死してるみたいだった。
シャオロン
嫌われてるわけじゃないし、むしろ褒めとけば?w
そっか!なんて彼女はご様子で、すぐさまグルちゃんの方を見て弁論みたいな褒め言葉を告げ始めた。
あなた
グルッペンさん!あのですね!!!
私グルッペンさんのこと人目見た時から、凄く尊敬しているんです!まず惹かれたのが目で綺麗だなって思っていまして…例えるなら…
グルッペン
う、うわぁぁぁ!!!いらへん!!!
や、やめてくれ!!///
シャオロン
(そういうあなたの素直とか純粋なところ、おれは好きになったし。まぁいっか。)

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