と、シャオロンと一緒に部活動を見に行くという約束をした。
すごく楽しみ。
そして朝のホームルームが終わった後、鬱先生から呼ばれた。
こうやって早めにプリントを頂けて事前準備ができるだけ有難い。
明日にでもグルッペンさんや…居なければトントンさんに会って決めていこう。
礼を言って、教室から出た。
鬱先生はニッコリ笑いながら、ささやかな手を振り返してくれてこちらも嬉しくなった。
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ここは吹奏楽部の教室、トランペットやトロンボーン、木琴や琴や笛など多様な楽器が沢山ある。
教室のドアを開けると、聞こえてくるのは様々な美しいメロディー。
合わせていなくともバラバラの始まりでも、どの音も綺麗で聞き惚れてしまう。
中でも、1番耳に入ったのはピアノの音だった。
シャオロンと私に気づいた瞬間、花が咲いたような笑顔をこちらに向けてきた。
思わず、口をんッとしてしまう。
かっこいい。ピアノも弾けて、演説のような挨拶も軽々とこなして、なんて素敵な人なんだと本当に思う。
興奮してしまって、はあはぁと息が荒ぶる。
喋るのに疲れてしまって下を向いていたが、グルッペンさんの顔を見ると、
照れていた。
なんて俺が悩んでると、それ以上に悩んだ好きな女の子が涙目で震えながらこちらを見てきた。
様子を見ると、完全に恥か死してるみたいだった。
そっか!なんて彼女はご様子で、すぐさまグルちゃんの方を見て弁論みたいな褒め言葉を告げ始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!