あなた(び、びっくりしたっっ…!!!!)
心臓がまだドクドクと脈を打っている、辛うじてまだ生きていると実感する。
窓を突き破る人物がいるとは予想外にも程があるし、そもそもそんな強靭的な力…恐怖でしかない!!!
カラカラと、窓の破片がそこら中に散らばっている。怪我しないようにゆっくりと立ち上がる。
周囲には煙幕のようなものも噴出されていたそうで、真っ白で何も見えずただゲホゲホと咳がなる。
グルッペン「はぁーー!!!ゲホゲホ…まじでビックリしたよ!!!!ゾム!!!!
あといい加減、窓を壊すな!!!ゲホ」
とグルッペンさんは喚いている。
トントン「ウエッグショーーーイ!!!!!!!!!…ウェ、ウエッグショーーーイ!!!!!!!!
…ウエッグショーーーイ!!!」
どこかしらに聞こえるウエッグショーーーイ!!という声。
あなた(えっトントンさんのあれは咳?、勢いありすぎるし独特すぎない…??)
むしろトントンさんの咳の方が気になった。
煙幕も少しずつ消えていき窓を破った真犯人の姿が明らかになる。
??「さーーーーせん!!!グルッペン!!!
窓を割ってごめんな〜!
秩序を乱すやつら全員片付けたら、体力なくなってよ〜!
ほら、生徒会室までくるのに階段何十段と登ってこなきゃ行けないじゃんそれよりも窓から侵入した方が楽だよな!って!!
いやぁ〜俺天才ですわ!!」
にこやかに、嘲笑っている。
緑のパーカーを羽織り、その上から制服を着ているようだ。パーカーを深く被っているからか口は見えるが目は見えず表情が分かりずらい。
しかもさっきので無傷ってどういうこと…。
トントン「…おい、ゾム!!!!お前は秩序を乱す奴らうんぬんより、英語勉強しろ!!!!!
また英語赤点とったそうじゃねぇか!!!!」
あなた(おおトントンさんって怒るんだ…。さっきまで無表情貫いてたのに、一番最初に叫んでたしびっくり系とか苦手なんだろうか。)
ゾム「げぇ!!!!トントンじゃん!!!!!」
油断してた、ちゃんとクリアリングしときゃぁ良かった!!とゾムさんは喚いている。
そのゾムさんの体をしっかりと掴み、トントンさんはお説教を始めている様子。
正座で説教って古典的だなぁ…。
ゾム「てか…へ?誰その子。」
トントン「…ん、ぁあ彼女か。あれはコネシマの友人だ。」
ゾム「え!?トントン彼女できたん!?」
トントン「一生出来ねぇわ、ボゲェ!!!!!」
と殴り合いまで始めている。
あなた(あはは…どうすればいいんだろう。)
グルッペン「はぁ、悪い。お前の書類落ちてたから拾ったぞ。この絵を描いたのはあそこで説教されてるゾムって奴だ。
迷惑をかけてすまない。」
しゅんとした様子で、グルッペンさんは私の書類を渡してくれた。
あなた(しゅんとしてるの…キュンとくるなぁ。)
あなた「ありがとうございます。」
グルッペン「あとはこちらで用を片すので、帰ってもらっていい。本日はありがとう。」
そう言って深く頭を下げる彼は、今日の挨拶をしていた後の深い礼と重なった。
あなた「いえ…では失礼します。」
バタンとドアを閉めたあとでも、彼らの声は中から聞こえ鳴り止まない。
騒がしくて、少し怖い。けれどなんだか楽しかった気もする。
そう思った1日だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。