宮口 梨奈視点
修也君死んで、すぐのこと。
優雨美は泣きながら言った。私も泣きながら言った。
修也君へ。今までありがとう。2年前のあの日、覚えてる?
私たちが中学1年生になった時、愛香と優雨美とクラス別れちゃって、1人ぼっちだったんだ。
でも、話しかけてきてくれたよね。
私…それがすごく嬉しかった。困っている時も、泣いていた時も、いつも寄り添ってくれたよね。
一日一日が楽しかった。
あの頃に…戻れたらいいのに…本当に、今までありがとう…
佐藤 優雨美視点
修也君。聞こえたよ。あの言葉。
まさか、両片思いなんて、思ってなかったよ。嬉しい。こんなに嬉しいって思ったの、
人生で初めてだよ。
どうして私より先にいっちゃうの…?私も、伝えたかったのに…いなくなっちゃうのなんて、
嫌だよ………
今まで、ありがとう。
人生で初めての、
恋人さん。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。