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机をくっつけて真ん中に教科書を置く。
待て…………………近い。
JM「えっと…何から教えよう……」
ジミンくんは近いことに気づいてないみたい。
何かに集中すると周りが見えないのかな?笑
いつもなら絶対顔真っ赤にしてるのに、
なんか私だけ意識しちゃって恥ずかしい。
JM「まず、公式から覚えましょう」
「…はいっ」
ルーズリーフを取り出して難しい公式を書いているけど、正直それどころじゃない。
横顔が綺麗すぎる………
ぷくっとした唇にシュッとした顎。
だめだ、集中できない。
JM「じゃあ、これ解いてみてください」
「……え、」
そう言ってジミンくんの顔がこちらに向いた。
だけどその距離は思ってた以上に近くて、私とジミンくんの間には10cmも無いくらい。
近くて、ドキドキして、周りの音が何も聞こえない。
私たちはしばらく見つめあっていた。
JM「…っ~~~~~!?!!、」
「ジ、ジミンくんっ、?」
咄嗟に離れたジミンくんは、口元に手を当てて俯いている。
JM「あなたさんは、ぼ、僕を殺す気ですかっ、!」
「え、」
JM「あぁ、このまま死んでもいいです~…」
「それは困るよ~!」
なんて言ってたけど、しばらくして落ち着いたのか勉強を再開した。
ジミンくんは一生懸命教えてくれてるんだけど、さっきの事を思い出して顔に熱を帯びていく。
JM「これで、わかりますか…?」
「……う、うん、頑張ってみるっ」
JM「はいっ」
さっきまであんなだったのに、なんで普通に戻ってるの……?
ジミンくんは目にゴミが入ったのか、メガネを外して目をこすっている。
「ジミンくん、?」
JM「あ、すみませんっ、ゴミが……」
へへっ、とこちらに笑いかけたジミンくんをみて
私の心臓は大きく跳ねた。
JM「あなたさん?」
「な、なにっ?」
JM「やっぱり、僕がメガネ外すと赤くなるんですね」
「えっ、!」
JM「あなたさんの前では、メガネ外そうかな」
「えぇっ!?」
JM「可愛いです、あなたさん」
待って待って?
メガネ外すと中身まで変わっちゃうの?
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!