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紙に書かれた住所をアプリに打ち込んでその通りに進んで行く。
私は駅を出て右だけどジミンくんは左。
しかもアプリには駅から徒歩10分って。
私を送ってから自分の家に帰るのめんどくさかっただろうなぁ、、それなのにいつも送ってくれて。
ジミンくんの優しさに胸が熱くなる。
途中でポカリやゼリー、のど飴に冷えピタも買った。
--まもなく目的地に到着します
「…………ここか、」
可愛らしいお家。これがジミンくんの家か……
「ふぅ………」
いや、待って。無理だ。
インターホン押せない……。
心の準備できてないよどうしよう。
だって今、この家にジミンくんいるんだよね?
あぁどうしよう、誰か代わりに押して………!
『あの、何か用ですか?』
「えっ…?」
振り向くとそこには、めちゃくちゃ顔の整った少年。
…………もしかしてジミンくんの弟くん?
「あ、えっと、私は怪しいものじゃなくて……ジミンくんのクラスメイト、です」
『……あ、もしかしてあなたヌナですか?』
ヌ、ヌ、ヌ、ヌナ~~~~~!??!?
生まれてこの方初めてヌナ呼びされたよ私。
しかも初対面のジミンくんの弟に!!
慣れてなさすぎて心臓飛び跳ねちゃったよ……
「あ、そうです、あなたです」
『ヒョンからよく聞いてます!俺弟のジョングクです』
「よ、よろしくねっ」
笑うとめちゃくちゃ可愛いぞジョングクくん。
たしかに似てないけど、いや、ちょっと似てるかも。
JK「もしかしてヒョンのお見舞いですか?」
「あ、うん。これを届けてほしいって先生から頼まれて」
JK「そうなんですか!じゃあ、どうぞっ」
そういって玄関のドアを開けるジョングクくん。
「お邪魔します…」
って、入っちゃったよ。初ジミンくんのお家。
JK「ヒョンの部屋は2階の右奥です!行けばわかると思います」
「あ、はいっ」
2階へ行き右へ進むと、JIMINと書かれたプレートを見つけた。
ここがジミンくんの部屋………そしてこの部屋にはジミンくんが……
緊張で手が震えてきた。
「ふぅ………」
(コンコン)
返事はなかった。寝てるのかな?
私は静かに部屋のドアを開けた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!