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月曜日、いつものように駅に行ってもジミンくんはいない。
私も改札前でジミンくんを待つのはやめた。
避けられていることに慣れてきたのが寂しい……
「はぁ……」
今日こそ、ジミンくんと話そう。
「おはよー、ミナ、ソヨン」
「「おっはよー」」
「今日ジミンくんと話そうと思ってる」
SN「大丈夫?言える?」
「うん、大丈夫」
MN「よし!じゃあ良い話聞けるの楽しみにしてるね~!」
JN「はいみんな席について~!ホームルーム始めるよ~」
ソクジン先生が教室に入ってきて、みんなそれぞれ席につく。
だけど、隣にジミンくんの姿がない。
いつもホームルームが始まるギリギリで戻ってくるはずなのに。
今日はなぜか、いない。
なんで…?
JN「あ、今日ジミンは風邪でお休みです。明日から衣替えで半袖になるけど、季節の変わり目は体調崩しやすいと思うから気をつけてね~」
ジミンくん、風邪でお休みか………
ようやく話そうって勇気が出たのに休みだなんて。
神様のいじわる。
ジミンくんと話せないだけで寂しいのに、隣にいないなんてもっともっと寂しいよ。
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「「さようなら~」」
JN「あ、あなた、ちょっと頼みごとがあるんだけど」
「雑用は嫌ですよ~」
JN「雑用じゃないよ。頼みごと!」
それが雑用なんだってば!って言いたいところだけどとりあえず用件だけ聞いてあげよう。←
JN「今日先生会議もあるしいろいろやらないといけないことが多くて、これお願いしたいんだけど」
「え?なにこれ?」
ソクジン先生に渡されたのはプリントが入ったファイル。
これをどうしろと……?
JN「これをジミンの家に届けて欲しくて」
「……は!?」
JN「あなた、最近ジミンとよく話してるでしょ?頼めるのあなたくらいしかいなくてさ~」
私がこれをジミンくんの家に届けるだと………?
もしかしたらいい話かもしれない。
ジミンくんに会えるし、もしかしたら仲直りできるかも……
「行く!行きます!」
JN「さっすが~!ここに住所書いておいたからよろしくねっ」
投げキッスをして教室から出て行ったソクジン先生。
いや投げキッスて………寒。←
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。