あなた視点
会議のために呼んだはいいけど。
色々見られそうで面倒。
一軒家といったって私以外に誰も居ない。
私の部屋とお母さんの部屋。
そしてお姉ちゃんの部屋それぞれあるけど
ほとんど帰ってきやしない。
お姉ちゃんに関しては私のために
バイトのシフト沢山入れて働いて、
お金を毎月もらっている。
お母さんは、男の人と遊んでる。
父親が病死したのはは小学3年の頃。
死を目したあの時のことを
私は忘れることは無い。
父親でない沢山の男を連れては
隣の部屋からお母さんの聞きたくもない声を、
気持ち悪い音が聞こえてくる。
お姉ちゃんもそれが凄く嫌らしい。
まぁ当たり前だろう。実の父でない人と行為をする
親の声を聞かなきゃいけないのか。
お母さんの部屋は一度しか見たことがない。
でも二度と見たくない。
まぁ、予想は出来てたけど。
玩具でいっぱいになったかごが見えたときはもう、
お母さんはいないって伝えたようなものだった。
私達に興味なんて1つもなかったのだから。
物置部屋と かした部屋にいって折りたたみ式の
足りてないイス3脚を追加で持ってくる。
物置部屋なんていつぶりに開けただろうか。
普段、リビングか自室にしかいないから。
イスの1つや2つで変わりっこない。
そんなときに、スマホの通知が鳴った。
お姉ちゃんからの連絡だった。
『ごめん、急だけど休みが今日しか取れなくて
今からお金渡しに行くね。』
いくらなんでも急すぎた。
家には生徒会の皆がいる。そんな中お姉ちゃんが
来るのはまずい。
私がただの男好きに見えるだろう。
桃瀬くんはいさぎがよくて、生徒会の中では
結構しっかりしてるから、なんとかなるだろう。
どう答えても空気が悪くなるのは予想できた。
そんな事考えて黙るのが一番まずい、そうやって
分かってるけれど、どうしようもなかった。
ピーンポーン
インターホンがなった。答えずにすむ。
インターホンを流れで切る。
5人が上がったのを確認して、玄関へ向かう。
ドアを開けたら、お姉ちゃんの姿が見えた。
特に変わりもしない見慣れた姿。
私とは違って凄く優しい見た目をしている。
お姉ちゃんの忙しい時間を割いて話すのは
気が引けるから、なるべく早く済ませる。
『ばいばい!』なんて言葉を後にお姉ちゃんは
玄関からじゃ見えなくなった。
3階にいって皆を呼びに行く。
自室を開けて桃瀬くんと水乃くん、
そして赤葉くんの姿が見えた。
明らかに様子がおかしかった。
体調が悪いとかじゃないとは思う。
詳しいことなんてわからないけど
ただ予想として1言で表すのなら、
なにかを知ったような感じだった。
水乃くんが指した方にあるのは、
お母さんの部屋だった。きっと隠しすらしない
あの玩具たちを見たってことだろう。
お母さんの部屋の扉を叩いて扉を開く。
どうせコイツらも可哀想だと思ってるんだろう。
親にも恵まれてないとか。
私を見る2人の目がそう言ってる。
そうま視点
スタスタと部屋を出て階段を降りていく音がする。
俺達は可哀想、だなんて本当に思ってない。
確かにあの玩具をみてびっくりはしたけど
ゴミ箱のをみて、この玩具はあなたのものじゃ
ないってすぐに分かった。
けど俺達が一番ビックリしたのは
そんなんじゃない。
部屋に入ったときは玩具に目が持っていかれたけど
部屋をよく見渡したときに、アルバムを見つけた。
まぁ、だめだとは思ったけどやっぱり気になって
見てみたけれど。まるで別人のようだった。
今とは違って、心から笑っている姿。
そしてあなたがふりふりの
服を着ている姿が目に入った。
なんだか、それを見て悲しく感じた。
この頃のあなたが本当のあなたなのか、
今の姿があなたなのかなんて、
俺には到底わからない。
ばぁう視点
今日、一度服を着替えて来ることにした。
期待なんて何一つとしてしなかったけれど、
会長はТシャツに長ズボン、そんなラフな
格好で家で待っていた。
普段からそう、だと思ってたけれど。
会長の部屋を色々のあさっていたら
ふりふりの服が沢山出てきていた。