第5話

#4
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2024/07/07 08:22
あなた視点
赤葉 ばぁう
赤葉 ばぁう
おじゃましまーす。
水乃 まひと
水乃 まひと
わぁ……会長の家綺麗ですね!
黄尾 そうま
黄尾 そうま
………だな。
会議のために呼んだはいいけど。
色々見られそうで面倒。
緑川 しゆん
緑川 しゆん
てか、あなたって一軒家なんだ?
(なまえ)
あなた
………まぁ。
一軒家といったって私以外に誰も居ない。
私の部屋とお母さんの部屋。
そしてお姉ちゃんの部屋それぞれあるけど
ほとんど帰ってきやしない。


お姉ちゃんに関しては私のために
バイトのシフト沢山入れて働いて、
お金を毎月もらっている。


お母さんは、男の人と遊んでる。
父親が病死したのはは小学3年の頃。
死を目したあの時のことを
私は忘れることは無い。


父親でない沢山の男を連れては
隣の部屋からお母さんの聞きたくもない声を、
気持ち悪い音が聞こえてくる。
お姉ちゃんもそれが凄く嫌らしい。
まぁ当たり前だろう。実の父でない人と行為をする
親の声を聞かなきゃいけないのか。
お母さんの部屋は一度しか見たことがない。
でも二度と見たくない。
まぁ、予想は出来てたけど。
玩具オモチャでいっぱいになったかごが見えたときはもう、
お母さんはいないって伝えたようなものだった。
私達に興味なんて1つもなかったのだから。
(なまえ)
あなた
荷物そのへんにおいて。
桃瀬 てると
桃瀬 てると
わかりました!
(なまえ)
あなた
イス取ってくるから。
物置部屋と かした部屋にいって折りたたみ式の
足りてないイス3脚を追加で持ってくる。
物置部屋なんていつぶりに開けただろうか。
普段、リビングか自室にしかいないから。
黄尾 そうま
黄尾 そうま
ん、ありがとう。
俺そのイスでいいよ。
(なまえ)
あなた
そ。好きにして。
イスの1つや2つで変わりっこない。


そんなときに、スマホの通知が鳴った。
お姉ちゃんからの連絡だった。

『ごめん、急だけど休みが今日しか取れなくて
 今からお金渡しに行くね。』

いくらなんでも急すぎた。
家には生徒会の皆がいる。そんな中お姉ちゃんが
来るのはまずい。
私がただの男好きに見えるだろう。
(なまえ)
あなた
悪いんだけど。
私の部屋でも誰の部屋てもいいから
いいって言うまで籠もってて。
赤葉 ばぁう
赤葉 ばぁう
え?なんで?
(なまえ)
あなた
お姉ちゃんがちょっと用事で
一瞬帰ってくるから。
桃瀬 てると
桃瀬 てると
わかった!
桃瀬くんはいさぎがよくて、生徒会の中では
結構しっかりしてるから、なんとかなるだろう。
黄尾 そうま
黄尾 そうま
てか、あなたってお姉ちゃんいたの?
(なまえ)
あなた
まぁ。
緑川 しゆん
緑川 しゆん
でもさ〜……
聞いちゃだめなのかもだけど
あなたの家、
親の住んでる感じなくない?
(なまえ)
あなた
………
どう答えても空気が悪くなるのは予想できた。
そんな事考えて黙るのが一番まずい、そうやって
分かってるけれど、どうしようもなかった。







ピーンポーン








インターホンがなった。答えずにすむ。
望愛
望愛
『………あなた〜来たよ!』
(なまえ)
あなた
『………うん、わかった』

インターホンを流れで切る。
(なまえ)
あなた
………とりあえず、
三階で静かにしてて。
水乃 まひと
水乃 まひと
え、あ。わかりました!
5人が上がったのを確認して、玄関へ向かう。
ドアを開けたら、お姉ちゃんの姿が見えた。
特に変わりもしない見慣れた姿。
私とは違って凄く優しい見た目をしている。
望愛
望愛
あ!久しぶり〜!
元気してた?
(なまえ)
あなた
元気してたよ。
お姉ちゃんこそ元気だったの?
望愛
望愛
もちろん!
あ、私も時間無いしとりあえず、
はい。これお金ね。
(なまえ)
あなた
………お姉ちゃん、ありがと。
望愛
望愛
……お母さん帰ってきてる?
(なまえ)
あなた
最近は帰ってきてない。
けど、多分そろそろ帰ってくる。
なんとなくでしかないけど。
望愛
望愛
………そっかぁ、。
あなたも頑張ってね!
(なまえ)
あなた
うん、ありがとう。
じゃあ、また来月。
お姉ちゃんの忙しい時間を割いて話すのは
気が引けるから、なるべく早く済ませる。
『ばいばい!』なんて言葉を後にお姉ちゃんは
玄関からじゃ見えなくなった。
(なまえ)
あなた
………よし。
3階にいって皆を呼びに行く。
自室を開けて桃瀬くんと水乃くん、
そして赤葉くんの姿が見えた。
(なまえ)
あなた
あぁ………ここに居たんだ。
赤葉 ばぁう
赤葉 ばぁう
あ、はい……てるちゃん、いこ。
桃瀬 てると
桃瀬 てると
あ、うん。
明らかに様子がおかしかった。
体調が悪いとかじゃないとは思う。
詳しいことなんてわからないけど
ただ予想として1言で表すのなら、
なにかを知ったような感じだった。
(なまえ)
あなた
残り二人は?
水乃 まひと
水乃 まひと
あ、あの二人ならこの隣の部屋です
(なまえ)
あなた
………ありがとう。
水乃くんが指した方にあるのは、
お母さんの部屋だった。きっと隠しすらしない
あの玩具たちを見たってことだろう。


お母さんの部屋の扉を叩いて扉を開く。
(なまえ)
あなた
…………
黄尾 そうま
黄尾 そうま
あ、話は終わった?
(なまえ)
あなた
………なんか見た?
緑川 しゆん
緑川 しゆん
………なんのこと?俺ら知らねぇけど。
(なまえ)
あなた
別に、とぼけても良いけど。
隠されてもないしわかるでしょ。
黄尾 そうま
黄尾 そうま
んー。見てないって言ったら
嘘だけど別になに思わないよ?
緑川 しゆん
緑川 しゆん
あなたがどうであろうと、
俺らが言うことじゃないしな。
(なまえ)
あなた
………私の部屋は水乃くんたちが
入った部屋。
ここはお母さんの部屋だから。
(なまえ)
あなた
さっき、緑川くん言ってたでしょ?
親の住んでる感じないって。
(なまえ)
あなた
あながち間違ってないよ。
たまに男連れて帰ってくるだけ。
黄尾 そうま
黄尾 そうま
………だからか、。
おかしいと思ったんだよね。
近くにあるゴミ箱にどう考えても
女の子じゃ使わないのも
捨ててあったしさ。
(なまえ)
あなた
なにその目。
私が可哀想だと思ってんの?
緑川 しゆん
緑川 しゆん
いや、そんなんじゃないけど。
な、そうま。
黄尾 そうま
黄尾 そうま
うん。
どうせコイツらも可哀想だと思ってるんだろう。
親にも恵まれてないとか。
私を見る2人の目がそう言ってる。
(なまえ)
あなた
なんでもいいけど、
さっさと会議終わらせて。
そうま視点
スタスタと部屋を出て階段を降りていく音がする。
俺達は可哀想、だなんて本当に思ってない。


確かにあの玩具をみてびっくりはしたけど
ゴミ箱のをみて、この玩具はあなたのものじゃ
ないってすぐに分かった。
けど俺達が一番ビックリしたのは
そんなんじゃない。
緑川 しゆん
緑川 しゆん
………でも、親がそんな感じでも
幼稚園とか小学生の頃の写真、
残されてるんだ。
黄尾 そうま
黄尾 そうま
な………
部屋に入ったときは玩具に目が持っていかれたけど
部屋をよく見渡したときに、アルバムを見つけた。
まぁ、だめだとは思ったけどやっぱり気になって
見てみたけれど。まるで別人のようだった。
今とは違って、心から笑っている姿。
そしてあなたがふりふりの
服を着ている姿が目に入った。
なんだか、それを見て悲しく感じた。


この頃のあなたが本当のあなたなのか、
今の姿があなたなのかなんて、
俺には到底わからない。
ばぁう視点
今日、一度服を着替えて来ることにした。
期待なんて何一つとしてしなかったけれど、
会長はТシャツに長ズボン、そんなラフな
格好で家で待っていた。
普段からそう、だと思ってたけれど。
会長の部屋を色々のあさっていたら
ふりふりの服が沢山出てきていた。
桃瀬 てると
桃瀬 てると
…………でも、あれさ。
割と最近っぽいよね。
水乃 まひと
水乃 まひと
うん。なんで着ないんだろ、
赤葉 ばぁう
赤葉 ばぁう
………好きなことぐらい
すればいいのに。

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