感情の何一つとしてない言葉。
黄尾くんにはどう聞こえてるのだろうか。
まぁ私に関係なんてないからどうでもいいけど
職員室へ向かう私。前には見覚えのある人。
後輩なんだから先輩に敬語ぐらい使えよ。
私は礼儀も常識もない生徒会執行委員の
赤葉くんの真横をスタスタと通っていった。
職員室に入って、いつものごとく印刷をする。
待つ間時間の無駄だから、
私は単語帳をポケットから取り出し勉強を始める。
やる意味なんて何一つとしてない。
この単語帳ならもう何周もした。
読みも書きも意味も。全部暗記してる………
でも何もしないよりかは意味がある行為だ。
それにここは職員室。先生がいる場では
真面目であって損はない。
いつの間にか印刷は終わっていた。
印刷したプリントをクラス毎に束に分け
クラスの担任へと渡し、生徒会室へ戻る。
基本的に授業とか昼休み以外の休み時間を除いて、
生徒会室にいる。
まぁ騒がしいよりよっぽどましだ。
桃瀬くんと水乃くんはどうやら仲が良いらしい。
友達なんて作ってなにになるんだろう。
私は友達を作った記憶もない。
皆が当たり前にすることをしていないのだ。
友達を誰一人として作らなかったし、
放課後に遊ぶ、なんてしなかった。
その代わり勉強をしていただけ。
そして1日が終わる。誰かと遊ぶ、ということが
皆にとってどういうものなのか、分からない。
でも分かる必要もないのだ。
生きるうえで関係なんてないだろう。
よく部屋を見てみると赤葉くんがいない。
朝職員室の近くで会っているから、
学校に来てるのは間違いないのだけど。
なんて適当なやつなんだよ。
大体敬語使わないと私だけかと思ったら、
黄尾くんにも使わないじゃん。
この調子じゃ緑川くんにも敬語なんて
使う様子なさそうだな。
しかも生徒会の役員になったからって
何一つとして1年間役立たないタイプだろう。
こんなやつがなるぐらいなら
私1人でするほうがスケジュール管理を
もっとしっかりする為に、
それがいつか自分のためになるのなら
本当にそれでいいのにな、なんて心でそう思った。