第8話

だい。ろくわ
1,396
2019/06/30 09:40
あなた

これからどうすればいいんだろ…。

私はビルが並ぶ街をぶらぶらとあてもなく歩く。
病室から一刻も早く出たく、ここまで逃げてきた。
結構、幽霊というものは移動が早く、部屋やドアなんて通り抜けることが可能であった。
あなた

行くとこないし…。助けなんて呼べないし…。

街を歩く人々は誰も私のことなんて見ようともしない。
だって…。存在しないんだもん。
あなた

お腹がすいたよぉ…。

幽霊でもお腹が空く。初めて知った。
幽霊でも眠くなり、睡眠が必要となる。初めて知った。
幽霊になってから、勉強だけでは知ることができないことに気づける。
でも。辛いことばかり。
あなた

あぁ。お母さんの手づくりのカレー。食べたいなぁ。

あなた

ベッドでいつも通りに寝たい。そして…。また真美と…。

いつも通りのことが今は





































できない。
あなた

どこで寝よう…。
………そうだ…。公園にベンチってあるよね…。
一応人間だもん。そこで…野宿してみよ…。

私は人間より速い速度で公園へ移動すると、ベンチへ移動した。
あなた

ふぅ……。

やっと一息つける場所。私は一旦心を落ち着かせる。
あなた

本当に…死んじゃった…。

ところどころ見ると、結構手の先は足の先がすけている。
あなた

何をしていけばいいんだろう…。

もう、頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。
死と罪。あいつが突っ込んで来なければ…。死んじゃった…。
この気持ちのループ。もう何が何だかわからない。
すると、
あなた

あれっ…。なんで私は涙を…。

一筋の涙をこぼしていた。
私は腕で拭き取る。
あなた

こんなこと考えていてもしょうがない…。
寝よう…。

私は、膝を抱えベンチへ横たわる。
あなた

寒っ……

私が寝ようとしている頃……。
この「幽霊シール」って効果あるんかなぁ?
と1人でつぶやく1人の男の人が公園に訪れていた。

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