私が深い眠りについた頃。1つの人影がリビングへと入ってきていた。
すらっと背が高く、長い足で部屋へと入る。私がいることに気づくと、パタンとパソコンを閉じイヤホンを外した。
彼は私を起こさないように、最新の注意を払って私の寝ている隣へと移動する。
彼は私が動いたことにビクッとする。でも私は寝返りを打っただけで、彼はホッとする。
彼は私をジッと見つめる。
すると、彼は私の隣に横になり、私に語りかけるように話し始めた。
彼は頰を赤らめる。
彼は自分の量指を絡ませ、下を向く。
彼は私の頭へと右手を伸ばす。
少しずつ私へと手を伸ばして行く。
後少しのところで手が止まる。
彼の服の裾を私の右手が引っ張っていた。
彼はふっと微笑む。
彼は私の頭をそっと撫でる。優しく……。まるで子猫を撫でるかのように………………。
彼はそのまま私の隣で目を瞑り、眠りへとついた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。