みんな、さっきの一件で少し、敏感になってるみたい。
私も、ずっと頭の中でさっきの人を考えていた。
私が急いでごまかすと、横からダーマさんにこう囁かれた。
ダーマさんの優しさが心に染みる……。みなさん優しいな。
私が優しさに染みていると、
事件は起こった。
なんと、はるくんとカンタさんが同時に体調不良を訴えたのだ。
なんと次々と、体調不良でその場に留まり動けなくなってしまった。
その光景を見て、あることを思い出した。
私はハッと周りを見渡して、あの人を探す。
目を光らせ、見渡すとぼんやりとトンネルの奥にひとつの人影が見えた。
私の声が聞こえたのか、人影はすっとトンネルの奥に消えて行った。
私は走って、人影の方に向かっていく。
トミーさんの声に耳を傾けず、私はあの人影を追って走って行った。
私はその考えを信じて、人影を追い、トンネルを駆け抜けた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。