第57話

だい。ごじゅうわ
418
2020/03/28 10:01
ザカオ
ザカオ
え〜……まだ行くの?
シルクロード
シルクロード
あとちょっとで、トンネルの出口らしいよ。そこまで行ったら戻ろう。
ンダホ
ンダホ
う〜……辛すぎるぅ。
みんな、さっきの一件で少し、敏感になってるみたい。
私も、ずっと頭の中でさっきの人を考えていた。
あなた

(さっきの人って……幽霊なのかな?)

あなた

(私のことが必要……?会ったこともないのに、なぜそんなことを言うのだろう……?)

ぺけたん
ぺけたん
どうしたの?あなたちゃん?
あなた

い、いえ。……皆さん、少し敏感になってるなぁ…と思って。

ぺけたん
ぺけたん
確かに、変な雰囲気がしたからね…。
私が急いでごまかすと、横からダーマさんにこう囁かれた。
ダーマ
ダーマ
……嘘つくなよ?
あなた

…え?

ダーマ
ダーマ
絶対違うこと考えてた。違う?
あなた

そ、それは…。

あなた

(だって……みんなには見えなかった…)

ダーマ
ダーマ
なんかあったのなら、言えよな?
ダーマ
ダーマ
溜めるのは良くないから。
あなた

は、はい。

ダーマさんの優しさが心に染みる……。みなさん優しいな。
私が優しさに染みていると、






























事件は起こった。
はるくん
はるくん
………なんか………気持ち悪い。
カンタ
カンタ
うぅ……俺も……。
なんと、はるくんとカンタさんが同時に体調不良を訴えたのだ。
エイジ
エイジ
大丈夫ですか!?
そらちぃ
そらちぃ
やばっ……俺も……
すしらーめんりく
すしらーめんりく
頭が………!
なんと次々と、体調不良でその場に留まり動けなくなってしまった。
その光景を見て、あることを思い出した。
あなた

(さっき、あの人がいたから変なことが起こった……。ということは…!?)

私はハッと周りを見渡して、あの人を探す。
あなた

(絶対……絶対いるはず!)

目を光らせ、見渡すとぼんやりとトンネルの奥にひとつの人影が見えた。
あなた

いたっ!

私の声が聞こえたのか、人影はすっとトンネルの奥に消えて行った。
あなた

ま、まって!

私は走って、人影の方に向かっていく。
トミー
トミー
おい!あなたちゃん!?
トミーさんの声に耳を傾けず、私はあの人影を追って走って行った。
あなた

(あの人は……何かを知ってる!)

私はその考えを信じて、人影を追い、トンネルを駆け抜けた。

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