日に日に私の中で何かが足らなくなって行くのを感じていた。
…………なんだっけ。
ん?どうした?あなた?
え〜っと………。
名前なんだっけ………。
…………俺はマサイだよ?
あ、そうだった!ごめんね!
う、うん……。
(俺の名前を忘れかけてた……?)
あなた。
ん?
俺の気のせいか?いつものあなただよな……?
…………最近、おかしいぞ?
…………おかしいか。そうだよね。
静かに彼女は瞼を閉じた。何かを物語るように静かに語り始めた。
…………最近ね。忘れることが本当に多くて。
家族だったり、過去のことだったり。………そして、名前とか。
…………もう、この世界にいることが難しいんだと思う。
そんなことない!
マサイは思わず叫んでいた。
お前がいなくなるわけがない。なぁ……そうだろ?
マサイ………。
俺は絶対お前を失ったりしない。………必ず。
そんなことを言ってくれるなんて……。嬉しいよ。
でも………。こうしている間も私の崩壊は進んでいるんだ。
見て?
私は両腕をマサイに見せてみる。
…………え?
だよね……驚いちゃうよね。
そこには、今までより薄くなっている腕だった。もう、床の色彩まで見えてしまっている。
少しずつ、この世界から消えていっているの。
………まだ、最近の話なんだけどね。
………やだ!あなたがいなくなるなんて……。
………でも、まだ猶予があるの。
あと……一ヶ月くらいかな。
そんな…………。
で、マサイ。
話があるんだけど、私との約束守れる?
え?
彼女は自分が消えるという話をしていたにもかかわらず、笑顔だった。
そんな、眩しい笑顔を見せる彼女がこちらを向いて笑ってみせ、こう言った。
私のわがまま、聞いてくれる?
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編集部コメント
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