私とりくくんは廊下を歩きながら会話を続ける。
りくくんの言葉に何か悪なものを感じたが、私は触れないようにスルーした。
りくくんは何かを感じたのか表情が一瞬だけ怒りに染まっていた。
えへへと何事もなかったかのように笑う彼。
すると、いきなり真顔になり静かにこうつぶやいた。
りくくんが今まで見たことないような好奇心で染まった目を私に向けてくる。
私はその眩しさでことの本質を忘れてしまいそうになる。
私が曖昧な答えを伝えてしまったばかりに、彼は「そらになんでもしていいのだ」と
goサインだと思ってしまったようだ。
こうなったら彼の好奇心は抑えられない。
私はなすすべもなく、彼の背中を追いかけアバの部屋に入るしかなかった。
私たちは静かに恐る恐る中を確認し、部屋の中へ突入。
えへへと嬉しそうにジャンプをしながらエイジ、ツリメ、リクヲの順で避けていく。
私は幽霊で実体がないためそのまま通り抜けた。
私は面白そうに笑う彼にそっと話しかけた。
流石のりくくんでも言い訳を考えてくれているらしい。
私がほっと胸をなでおろすと…。
私はりくくんにダメと言ったのに…止められなかった。
彼はどこから取り出したのか水が入ったペットボトルを用意している。
彼はゆっくり蓋を開け、空の顔の上に構えた。
バシャ!)
勢いよくそらの顔にヒット。
思わず熟睡していたそらがゲホゲホと苦しそうに咳をする。
等の本人は嬉しそうだが、私はどうすればいいのかあたふたとしていた。
すると…そらが苦しそうに咳き込みながら目をうっすらと開けようとした。
私はそらにバレないように頭を抱えてうずくまる。
「りくくんもやって!」と言おうとした瞬間。
私の体は誰かによって覆い隠されていた。
私は誰なのと恐る恐る顔を上げると…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。