私は涙を堪えながら廊下をかけていく
すると腕を掴まれる
振り向くと、
伊藤先輩がいた
私は分からないけど涙が零れてくる
伊藤先輩は慌てながら当たりを見渡し
私の腕を引っ張って資料室に連れてきた
先輩は何も聞かなかった
でもそれが私にとってはうれしかった
もう苦しい思いしたくない。その気持ちで
私は差し出された手を受けとる
先輩は少し驚いた顔をして
私を抱きしめる
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私はこうして伊藤先輩とまた付き合うことになった
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屋上
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。