それ以降もその学校の前を通ることは度々あった。
けど、やっぱりあなたちゃんの姿を
見ることはなかった。
嘘やん、全く気付かんかった…。
今日は久々のオフ。
うらさんの家でゲームしたり、
だらだら過ごしている。
せっかくの休みやし、変なこと考えるん
やめなあかん。
ど、どうしよ、話すべき…やんな?
……まぁ…うらさんなら話してもええかな…?
別の理由…??
え?
一目惚れ、か。
う〜ん……それもそうやな。
よーし!今日からはもう気にしない!!
絶対絶対絶対!!!!気にしない!!!!
そんな出会いから約半年。
あれ以来本当に一度も会うことはなかった。
まるで『あなたちゃん』なんて子、
最初からいなかったかのように。
あの学校の前を歩いても、もうなにも___
思わず立ち止まる。
家出?自殺?
あくまでもあの子たちの想像だ。
ほんとにそんなことするわけないやん。
信じるなんてバカバカしい。
なのに俺は、どこへ向かうわけでもなく走り出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。