バレたけど、もう開き直って行っちゃおうって事で今日もやって来ました、時透家へ!
ピンポーン♪という軽快なチャイムを鳴らして無一郎に入れてもらう…はずだった。
出かけてるのかな〜、そう思っていると、ドアが開く音とともに無一郎…ではなく有一郎くんが出てきて、
えっ…!?な、何故っ!?
まぁ、今は春休み。
いてもおかしくは無いけど、有一郎くんは大抵予備校に行ってるって聞いてたけど。
正論のツッコミがきた……。
まぁ、そういう事だったんだ、把握。
歯切れが悪くそう有一郎くんは言う。
……いや、練習じゃなかったのはあった。
だから、ノーカン?
そう人畜無害そうな声を出した有一郎くんは、私を壁に追いやる。
な、何故だッ!?
ドンッ!!という音を轟かせながら有一郎くんは、ま、股ドンをする。
に、逃げられない…すごっ!!
少し考えて練習だった事を思い出した。
そーいえば股ドンなかったな、うん。
そう真剣な目で私を見据える有一郎くん。
ど、どういう事でしょうか……?
でぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
ー続くー
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。