無一郎side
最近、同じ夢を見る。
つむぎと並んで笑っている夢だ。
こないだからどうも僕はおかしい。
何か“大事なこと”を忘れているのに思い出せない
なんでなんで思い出せないのか。
任務終わりで疲れているのだろうか。
早く寝よう。
なんであんな路地から出てきたんだろう。
嘘だ…、、、鬼の気配がまだする。
それにこの女からも。
どうして今まで気づかなかったんだろう。
この女が“鬼”であることに。
大切な人が傷ついている。
僕にとって大切な人が
何も考えずに鬼のいるであろうところへと向かった。
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つむぎside
雪那様が出て行ったとの入れ替わりで男たちが何人も入ってきた。
もう私には抗う力も逃げる力も残っていなかった。
私は持っていた簪を握りしめることしかできなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!