その道は、暗く奥が全く見えなかった。
リボンは、木に引っかかっていた。
私の手の5センチ先にリボンがある。
そうリボンを掴んだ時だった。
???「夜は危ないよってお母さんに教わらなかったのかい?」
暗くてよく見てない。
雲の隙間から月明かりがその“何か”を照らした時、私の目に映ったのは
2本の角。
あれは…鬼?!
“鬼”がいるということは旦那様から聞いたことがあった。
そうだった。…だから夜は1人で歩いてちゃダメなんだ。
ましてや、こんな路地。
そう言って私を掴もうと長い爪が生えた腕がこちらに伸びてくる。
逃げようとしたのに体が動かない。
ごめんなさい。こんなことなら約束を守るべきだったのに。
手に持つリボンをギュッと握る。
?「こんな時間に1人で女の人が歩くなんて君死にたいの?」
?「霞の呼吸、肆の型。移流斬り」
その瞬間、鬼は真っ二つになった。
?「…どうしたの?立てないの?」
気づくと、私は腰が抜けて座り込んでいた。
?「はい、手。」
?「これに懲りたら、もう夜には1人で出歩かないこと。あとは真っ直ぐ家に帰った方がいいよ」
そう言うと彼は、こちらに背を向けて歩き出してしまう。
そう言うと今度こそ彼は去ってしまった。
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ちょっとした裏話。
無一郎くんのつむぎの名前を聞くシーンで、本当は「君の名は?」としてたのですがそうしてしまうの某あの映画とセリフ丸かぶりやんけと思い即変更しました( ͡° ͜ʖ ͡° )
既読感覚でハート押してくれると嬉しいです🙌
お気に入りしてくれた方。ありがとうございます泣
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。