第9話

>>9 たわいもない毎日に
49
2020/10/16 11:22
>>波月side__。


11時45分。
約束の時間は 12時だけれど, 少し早く着いてしまった。

正門には 綺麗な桜が 私を見ろ, と言わんばかりに 咲き誇っている。
この木は 学校1 大きな桜の木で, 一般の方々が この木を見に来る程, 立派なものなのだ。

そんな 美しい木の下, 友達を待つ 私は 少し 上着の袖を握る。
まだ春が始まったばかりだから , 北から吹く風邪は 少し冷たい。自転車を漕いでくる時は少し手がかじかむ程だった。

北風になびいて 桜の花弁が ちらちらと そこら中に 降り注いでくる。
此方に飛んできた 花弁を 掴もうと手を伸ばしてみたが、 風に煽られ 逃げられてしまった。


_桃瀬 波月@モモセ ハズキ_
桃瀬 波月モモセ ハズキ
あーあ … クスッ
何してんだろ, うち 笑


小声でボソリと呟き , スマホを 見る。
11時 50分。
人を待っている時間ほど長く感じるものは無いな… と思っていた時 , 誰かに名前を呼ばれた。

???
波月 ~ !!
_桃瀬 波月@モモセ ハズキ_
桃瀬 波月モモセ ハズキ
ん , ん?? は~い ??
???
右右 !!(笑)


驚いて 右を 向くと、 あのいつもの 明るくて 元気な笑顔を浮かべながら 自転車に乗って 意気揚々と 走ってくる 夏輝の顔が見えた。

_櫻岐 夏輝@サクラギナツキ_
櫻岐 夏輝サクラギナツキ
早いね~ , まだ結構時間より前だと思ってたんだけど。(笑)
_桃瀬 波月@モモセ ハズキ_
桃瀬 波月モモセ ハズキ
嗚呼 , うん 。(笑)
ちょっと早く着いちゃって


櫻岐 夏輝。
しとやかそうな 顔付きに 長い髪。 身長も すらりと高く モデル体型な The 美少女。
今日知り合った 凛華ちゃんと 仲がいいらしく ,
_櫻岐 夏輝@サクラギナツキ_
櫻岐 夏輝サクラギナツキ
「面白い親友がいるんだよ w」
と言って 私を 2-C に連れて行ってくれた。

夏輝は 私の前の席で , 宜しくねと 声を掛けると 明るい笑顔で 挨拶を返してくれた。
嫌な人間の匂いはしなかったし, 新しい友達も出来た。夏輝には 感謝してもしきれない 。

そんな彼女との 話は どれだけ話していても退屈しない。
面白い返し方 , 話題の振り方 。どれも相手の事を 考えてくれているようで , 迚 尊敬している。

ニコニコと 中身の無い雑談をしながら 残りの2人を待っていると , 自転車に 2人乗り しながら 見えた 姿からは , 私と 夏輝の名前を呼ぶ声が聞こえた。

爽やかな The 男の子な声 。
少し控えめだけれど 楽しそうな女の子の声。
そして女の子の声は 明るく 半笑いで 辺りに 響いた。

_鈴星 凛華@スズホシリンカ_
鈴星 凛華スズホシリンカ
ごめん  !! 自転車パンクしてた __ !!w
_加賀 綉弥@カガシュウヤ_
加賀 綉弥カガシュウヤ
馬鹿かよ __ !!w


自転車を 私たちの前に停め , そう笑う。



嗚呼 青春。
彼の服の裾を持つ 彼女の笑顔が眩しい。







何処か 胸の奥の奥が ちくりと痛んだ 気がした___ 。

































丁度 時計は , 12時を回った。





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