第7話

>>7 立ち上がる音に
157
2020/10/14 13:22
>>>凛華side___。

何か 蓮翔くんが言いかけた気がした。
とても真面目な顔をして。

_西堂 蓮翔@ニシドウ レント_
西堂 蓮翔ニシドウ レント
ねぇ , りんり___


どうしたの?と ,返そうとしたが 教室のドアが開き、担任の先生が入ってきた。
次は総合だし, きっと委員会決めだから 喋っていても良かったのだけれど、彼がその先 , その何秒か後を 飲み込んでしまったように見えた。

何か、きっと次の話題に繋がる たわいもない話題だったのだろうか。
なら、また次の授業後にでも聞こう,と気になる自分の気持ちに踏ん切りをつけ, 読んでいた小説を片づける。

まだ読み始めて間もない この小説。
綉弥に借りたのは 春休み前の事だったが, 彼は 私に貸したことを忘れているのだろうか。
この本には, 彼がこの本を貸すのと同時に お土産にくれたシオリが挟まっている。
可愛い鹿と 五重の塔の金色の栞だ。

最近はあまり連絡を取っていない。
あっちもあっちで部活やらなんやらで忙しかったらしく、習い事に忙しなく出かけていく姿を よく家の窓から見掛けていた。

また何処か出掛けたいな… と考えていると、やけに甲高い声で 私達の級長の女の子が 委員会決めを始めた。
_弥宵 叶波@ヤヨイ カナハ_
弥宵 叶波ヤヨイ カナハ
ん~ じゃあ委員会決めまぁ~す !!
えー…環境委員会希望~ ??


そういえば、夏輝と委員会の話しなかったな… と後悔しつつ、私は考える。

夏輝と同じ委員会になるには__ 。
と、思ったのも束の間, 私はある結論に辿り着く。

夏輝は 級長やるだろうな___
と言う、私には到底縁のない 結論に辿り着いてしまった。

ならば、もう私の趣味系統の委員会に走ろう… と思い , その名前が呼ばれるのを待った。
目立ちたくはないし ,成る可く人の少なさそうな……

_弥宵 叶波@ヤヨイ カナハ_
弥宵 叶波ヤヨイ カナハ
おっけ, 保健委員会決まり~ っ。
次 ~ 。図書委員やりたい子~ ??
_鈴星 凛華@スズホシリンカ_
鈴星 凛華スズホシリンカ
あ , は ~ い 。
_弥宵 叶波@ヤヨイ カナハ_
弥宵 叶波ヤヨイ カナハ
ん ~ , 名前は …凛華ちゃんだねおけまおけま~ , 他は ~ ??


我ながら大きな声で , 手を挙げてみた。
スルーされたら ちょっと悲しいな, なんて思っていたけれど , 普通に認知してくれて嬉しかった。

図書委員の振り分けは 女子1 男子1の2人ペアだから , 少し不安だったけれど,その不安は 私の隣の席に座る 彼が取った次の行動で,打ち消され、安心に変わった。
_西堂 蓮翔@ニシドウ レント_
西堂 蓮翔ニシドウ レント
あっ … 僕も 図書委員やりま…たいです 
_弥宵 叶波@ヤヨイ カナハ_
弥宵 叶波ヤヨイ カナハ
おっ ~ 。おkおk~ 蓮翔くんね~ ??
図書委員この2人でいい感じ??


誰も他に手を挙げなかった。
誰かあげたら譲ろうかと思っていたけれど , 今相手が喋れる仲良しの男の子の状況なら、 余り譲りたくないな __ と思いながら , 級長さんの次の言葉を待った。

_弥宵 叶波@ヤヨイ カナハ_
弥宵 叶波ヤヨイ カナハ
んじゃ , これで決まり !!
次 体育委員 ……


その言葉を聞いて、止めていた息を思いっきり吐き出す様な溜息をついた。
何処か肩の荷が降りたような…気が抜けた私は同じ図書委員 の 蓮翔くんに声を掛けた。

_鈴星 凛華@スズホシリンカ_
鈴星 凛華スズホシリンカ
奇遇きぐうだね ~ !!(笑)
蓮翔くんがペアなら安心安心クスッ
一緒に頑張ろうね ニコッ
_西堂 蓮翔@ニシドウ レント_
西堂 蓮翔ニシドウ レント
うん!!✨
りんりんと同じ委員会だと頑張れそ~ (笑)
_鈴星 凛華@スズホシリンカ_
鈴星 凛華スズホシリンカ
本当 ? (笑)
ま , 頑張ろ 頑張ろう !!


図書委員会。
なにか頑張ることなんてあったかな。なんて思いながら 彼に微笑みを投げると 彼は少し キョトンとした顔になって ,
何時いつものあの明るくて 可愛い笑みを 私に投げ返してきた。

何時もなら, 可愛い, そう思う筈なのに 何処か 奴の顔が チラつく。

あの 幼馴染の…… 。
綉弥の顔が。
_鈴星 凛華@スズホシリンカ_
鈴星 凛華スズホシリンカ
なんだかなぁ…… 


ボソリと窓の外を 飛び去る蝶に向けて発した言葉は , 何処までも広がる青空に 吸い込まれていった_______


































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