>>> 凛華 side ____
私が 見上げたクラス表。
そこには びっしりと 見た事も無い名前が 並んでいた。
私は 2年C組。
夏輝はどうやら 2年B組だったらしく , 先程クラスの前で別れてしまった。
憂鬱な気分のまま 教室に入って自分の席に座って ,周りを見渡してみる。
私の席は 前のドアから直線に1番遠い 角の 1番前だ。
本当に知ってる子が誰もいなくて 本当に焦ってる。
せめて1人でも 去年同じクラスだった子 … 。と思ったら 前の ドアから入ってきた 1人の青年が目に映った。
確か去年同じクラスだった___
蓮翔くんは 高一の頃に知り合った仲。
いつも にこやかに話しかけてくれる彼に少し私は 惹かれていた 。
彼は リュックサックを揺らして 私の席の前まで 走ってきた。
私の隣の席は まだ誰も来ていない。
生徒手帳が 机の上に置いてあるから, それを見れば 分かるんだけど… 。
私が “隣” という言葉を発すると 蓮翔くんは目を輝かせた 。
蓮翔くんは “運命”なんて言いながら 私の席の前で飛び回って , 私達はハイタッチした。
いや , ほぼさせられたんだけどね (笑)
そんな蓮翔くんは まだ るんるんしたまま 隣の席にリュックを下ろして 荷物を片付けて 始業式に向けて 準備している。
敗戦した クラス分けだったけれど, 救世主が 現れ , 私の焦りは少し 収まった。
クラスの子達は 楽しそうに 夫々の友達と 喋っている。
何だかんだ いいクラスになりそうだな , なんて思いながら 私は外の景色を眺めている。
Home roomを告げるチャイムが鳴った。
ここから私の , 夏輝の居ない 波乱万丈の青春の1ページが始まったのだった___ 。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。