岡瀬 美南
……っっ
美南は靴を履こうと下駄箱を開けたが、一度閉めて周りを見た。
誰も見ていない。
美南は自分の下駄箱に入っていたものをおそるおそる取りだした。
昨日はなかったもの。
ましてや自分も入れた記憶はない。
岡瀬 美南
な、なんで…っ
岡瀬 美南
また…っ
春咲 小夢
あ、岡瀬さん!
春咲 小夢
おはよ…
岡瀬 美南
…っ
春咲 小夢
岡瀬さん…!?
有栖川 七海
……
岡瀬 美南
あ、あの…っ
美南の目には涙が浮んでいた。
今にも泣きだしそうな目をしていた。
それは小夢にも七海にも分かった。
春咲 小夢
だ、大丈夫…
岡瀬 美南
か、紙が…、また…
そんな震えた声で、美南は紙を差し出した。
春咲 小夢
これ…っ
春咲 小夢
こないだの…っ
有栖川 七海
やっぱり…
有栖川 七海
一枚だけじゃなかった…
岡瀬 美南
あ、あの…っ
須藤 沙羅
あ、美南っ、
須藤 沙羅
……あ、有栖川さん?
須藤 沙羅
と…転校生、?
岡瀬 美南
さ、沙羅っ
有栖川 七海
確か…、隣のクラスの須藤 沙羅 (すどう さら)さん、かしら
須藤 沙羅
うん、有栖川さんは美南に何か用なの?
有栖川 七海
あなたが岡瀬さんと仲が良かったなら彼女から聞いてるはずよ。
須藤 沙羅
……あぁ、例の手紙でしょ
須藤 沙羅
知ってるけど、それがどうかしたの?
有栖川 七海
その差出人を見つけるのが私の役目なの、
須藤 沙羅
ふーん、有栖川さんが?
須藤 沙羅
珍しー、そんな人だったんだ?
有栖川 七海
……さっきからあなたは私のことを良く思ってはいないようね、
須藤 沙羅
まぁね、でもどうせ気にしてないんでしょ?
須藤 沙羅
そーいうの、
有栖川 七海
そうね。
有栖川 七海
でも、あなたに怒らせるようなことは何もしていないはずよ、
有栖川 七海
それなのにケンカ越しで来られると私もいい気はしないわ
須藤 沙羅
そう、まぁいいけど
須藤 沙羅
美南をいじめてるのかと思ったから、
岡瀬 美南
ご、ごめんね
岡瀬 美南
沙羅、いじめられてるんじゃなくて…
須藤 沙羅
分かってるよ、美南
須藤 沙羅
まぁ、有栖川さんが解決できるのかは知らないけど
有栖川 七海
私は必ず解決してみせるわ
須藤 沙羅
ふーん、口だけじゃなかったらいいけど
須藤 沙羅
行こ、美南、
岡瀬 美南
う、うん、
有栖川 七海
……
春咲 小夢
七海、私たちも行こっ
有栖川 七海
そうね、
春咲 小夢
どう?
春咲 小夢
差出人、分かったの?
有栖川 七海
もう少し…
春咲 小夢
え?
有栖川 七海
あと少しで繋がるのだけど…
春咲 小夢
さっすが七海
春咲 小夢
私も手伝うよっ
春咲 小夢
頑張ろ!
有栖川 七海
えぇ。
春咲 小夢
で、その差出人は?
有栖川 七海
それは、_______よ。
春咲 小夢
…!!
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