逢羅:あっ、違、、あ、逢羅じゃなくって、、
焦凍:これを見て逢羅じゃないっていう方が難しくねぇか?これで言い訳するとか、、ふざけてんだろ!!
私は、焦凍に横抱きされる。
血を流しすぎて至る所感覚がない。
視界だってぼやけてるんだ。
私、死んじゃうのかな、、
私は体が大きいわけじゃないから血の量だって少ない。
辺りを見渡す。
1つの薄暗い電球の周りにぼやけて見える紅い血。
これ、全部私の血だ、、
私の、体に入ってた血だ、、
私は、また意識を失った。
焦凍:雫っ、雫!!、、、クソッ
逢羅:ちょっと待って焦凍!!話を聞いて!!
焦凍:話なんか聞いてられるか!!雫にっ、雫にこんなことしてっ、、
逢羅:だってっ!!雫ちゃんが焦凍のこと、、焦凍のこと取るから!!焦凍は逢羅のものなのにっ!!、、、あっ、、
焦凍:誰が逢羅のだって、、、?
逢羅:ゾクッ
焦凍:逢羅。俺はお前の「もの」じゃねぇ。勝手に言って勝手に傷つけるな。
逢羅:っ、、
焦凍:ヒーロー、、どうせなりたくなかったんだろ。
逢羅:えっ、、
焦凍:薄々気付いてた。別にヒーローなんてなりたくねぇんじゃねぇかって。でも、逢羅はそういう性格だと思ってた。でもそれは、やっぱそうなんだな。
逢羅:だって、、焦凍はさぁ、小さい頃から支えてきた、逢羅のことが好きでしょ?!なのに、なのに!!脇から出てきた雫ちゃんが焦凍を奪った!!おかしいでしょ、、ねぇ?焦凍。
焦凍:おかしいのはお前だ。
逢羅:何が?、、、あははっ、、あぁ〜、何がおかしいか分からない。焦凍がおかしくなったんじゃない?どうして私のことを選ばなかったの?それがいけないんだよ?
焦凍:、、、もう話す価値もねぇ。(逢羅が、、こんなやつだったなんて、、)
私は、目を覚ました。
白い天井。
あぁー、この景色、前も見たな。
私、怪我しすぎかも。
看護師:あっ、澄江さん目を覚ましましたっ!!
ガラガラガラッ
医師:良かった、、、澄江さん、分かりますか?
雫:はい、、、病院、、ですか?
医師:はい。良かった、目を覚まされて。大量出血で、本当にギリギリだったんですよ。
雫:そう、、ですか。
医師:検査しますね。
雫:はい。
焦凍side
逢羅は勿論だが退学になった。
さっき、雫が目を覚ましたと看護師から聞いてほっとした。
クラスの奴らもほっとしている。
女子なんて泣いている。
勿論雫が助かったことにだが、もう一つ、逢羅がそんなことをしたことにもショックを受けている。
どこから逢羅はそんな風になってしまったんだろうか。
俺が、何か言ってやれば逢羅はそうならずに済んだのだろうか。
、、、でも、俺が言わなかったとしてもあれだけ傷つけるのはもう犯罪だ。
まだ未成年だったから軽くなったが、今逢羅がいる場所なんて分からねぇ。
早く、雫に会いたい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!