目を覚ますと、見知らぬ暗い場所にいた。
板に張り付いていた私の体は、手に手錠をかけられ手を広げてる状態で地面にお尻をつけている。
何、、
ここ、どこ、、
「キィィ」と、どこかのドアが開いた音がする。
、、、え。
逢羅:あれっ、もう起きちゃったの?雫ちゃんっ!
雫:逢羅ちゃん、、、何、してるの。
逢羅:え、自分がされてること、自分で見て分かんない?罰だよ、罰!
雫:罰、、、?
逢羅:ほらぁ、さっき逢羅話したじゃん!焦凍のこと、雫ちゃん奪ったもんねぇ?
雫:!!
逢羅:今はね、放課後だからたぁっぷり傷つけてあげる。焦凍が見向きもしなくなるような体にもしてあげる。痛みを味わいな。好きな人に見向きもされなくなる痛みを。
雫:!!
そう言って彼女は個性で刃を出す。
え、え、え、何するの?
雫:ねぇ、ちょっと待って?!おかしい、やりすぎ!!ねぇ、これ捕まるよ?!ヒーロー志望でしょ?!
逢羅:うん?私、ヒーロー志望じゃないし。私は焦凍と付き合うためにここに入ったの。まぁそれもあんたのせいで水の泡だけど、、あでも結局叶うからいっか。これが終わったら私、焦凍と付き合うから。
雫:!!
刃を私に近づける。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、、
なんで?
焦凍を好きだからって、こんなにも重いことになってしまうの?
私は、腕に傷をつけられた。
想像を絶する痛みが身体を走り、私は叫ぶ。
やめて、お願いやめて。
脚も切ったり、、
人を殺すのは流石に危ないと思っているのか、私がギリギリ死なない程度まで傷つけられた。
助けて、助けて、、誰か、、
こんな思いするんだったら、義勇のことを無理矢理忘れて焦凍のことを好きにならなければ良かったかな、、
こんな思いするんだったら、焦凍の想いに応えないで、お母さんお父さんについて行ってヴィランであるべきだっただろうか。
いや、こんな、酷いよね。
今のは私の気がどうかしてた。
焦凍を好きなのは、もう変わらない。
でも、耐えられない。
私は意識を失った。
焦凍side
昼休みから雫の姿が消えた。
誰も何も知らないと言う。
結局午後の授業にも出ず、相澤先生は探してくれるそうだ。
俺達も寮に帰った後学校の周りを探したりしたが見つからない。
とうとう夜になっても帰って来なかった。
そういえば、逢羅もいない。
放課後、学校がすぐ終わった後はいた。
俺と一緒に帰りたいと言うから、雫を探しながら帰った。
雫、今どこにいるんだ。
辛い目にあってねぇよな?
苦しめられてねぇよな?
怖い。
今、雫がどういう状況なのかが分からない。
お願いだから出てきてくれ、雫。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。