第9話

おもいで🧡
278
2020/02/13 05:05
今日はたまたまお互いの休みがあったから急遽会うことに。でも特に行く所もなかったので近くの公園をお散歩デート。
あなた

小さい子ってすごく元気だよね

向井康二
子供は風の子て言うやろ?
あなた

私あんな元気だった記憶ない

向井康二
俺休み時間の度に外で遊んでたで?
懐かしそうに思い出を話始める康二くん。私も懐かしくなって道のいちょうの木が等間隔にある公園の道を写真を撮りながら歩いた。
するとそこにボールが
男の子
お兄ちゃん取ってー!
康二くんの足元に転がってきたボールを指差し男の子は言った。
向井康二
行くでー!!
ボールをなげかけすと一緒に遊んでいたのだろうほかの子供達も集まってきた。
女の子
お兄ちゃんのボールめっちゃ飛ぶ!!一緒に遊ぼ!!
目をキラキラさせながら寄ってくる。
向井康二
ごめんな、今遊べないねん
男の子2
えぇ…
女の子
私も遊びたーい
子供たちのブーイングに困っている様だった。
あなた

遊んであげたら?私ベンチで見てるよ、カメラ持ってる

向井康二
え、でも…
男の子
やったー!!行こ!!
戸惑いながらもカメラを私に預け、手を引かれて颯爽と走っていった。
みんな楽しそうなのだが何より康二くんの笑顔が1番輝いているように見えた。思わず康二くんから預かったカメラでシャッターを切る。
何回か使い方を教わっていたから何枚か撮ってみる。どの場面にも笑顔しか映らない。
我ながらよく撮れたと自画自賛。

撮った写真に視線を落とした。
もっとと思い顔を上げる。するとさっきまで走っていたはずの子供たちと康二くんが見当たらない。
ただでさえここは見晴らしがいいはず。暫くキョロキョロと探していると、メインの遊ぶ場所から少し離れ原の方で花の冠を作っているようだった。
やっぱり女の子は器用だ。男の子も康二くんも教わっているみたい。
向井康二
できたで!!
男の子
おおー!!
こっちにまで聞こえてくるような大きな声ではしゃいでいた。
あなた

無邪気だなぁ、


独り言で呟いたのだが聞こえたのかぱっとこちらを見て作った花の冠をこちらに見せるようにして手を振った。
振り返すと周りにいた女の子が康二に何やら話しかける。
突然立ち上がると子供たちから歓声が上がる。駆け足で皆がこちらに向かってくる。
向井康二
あなたちゃん、こっち来て!!
元気よく手招きしてくる。荷物を持ち行くと、
向井康二
よし、お前らちゃんと判定するんやで!!
女の子2
もちろんー!!
あなた

え、なになに??

私が聞くのを他所に康二くんは話し始めた。
向井康二
この子は俺の自慢の彼女やねん。料理も作ってくれるし、疲れてたらマッサージしてくれる。とにかく可愛いねん
あなた

い、いきなり何…!?

女の子は両手で口を隠し、男の子はおーっと言って康二くんに話の続きを求める。
向井康二
なにより笑顔や!いつもニコニコしててものすんごい元気でる!!お前らに負けんくらいな!!
男の子2
僕も好きな子の笑ってるの好き!!
向井康二
せやろ!?
女の子
お兄ちゃん完璧じゃん!!もうあげていいよ
私だけ話についていけずにわたわたしていると、さっき作っていた花の冠を頭に乗せてくれた。
向井康二
好きやで
あなた

…っ、!?

女の子2
きゃー(〃∇〃)
男の子2
お兄ちゃんさすが…かっけぇ…
盛り上がっていると子供たちの親だろうか迎えに来たようだった。康二くんは深々と頭を下げると子供たちを見送った。
向井康二
気をつけて帰るんやでー!!
女の子
はーい!!
男の子
お幸せに!!
みんな元気よく帰ってった。

あなた

ってか!!いきなり何!!

向井康二
いやぁ…あの子達にあなたちゃんの良いとこ沢山言えたら花の冠あげていいって言われて、ついな
あなた

何子供相手にムキになってんの笑

向井康二
だって、あなたちゃん可愛いのほんとやし。
笑っていたが耳が赤くなるのを見た。きっととても照れている。カメラの事を思い出す。
あなた

そ、そうだ。ちょっとだけ写真撮っちゃった

向井康二
全然ええで!見せて!!

康二くんは私の撮った写真を見るなり、べた褒めしてくれた。そしてこちらにカメラを向けると
向井康二
そっちに立って後ろ向いてや
あなた

こう??

何枚か撮っているようだった。丁度風邪も吹いてきて葉が舞う。さっきまで太陽が出ていたので暖かかったが、太陽が陰ると肌寒い。
向井康二
肌寒いな…帰ろか??
あなた

うん、ねえ写真は?

向井康二
後で、はい、
そう言うと私の方に手を出してきた。手を繋ぐことは殆どないため少しドキッとした。甘えて手を握る。とても暖かい。
向井康二
今日は鍋の気分やなあ…
あなた

まだ早いでしょ笑なんでも作って上げるけどね

その後あの時撮った写真は康二くんの家にいつの間にか壁に飾られていた。
最初は自分だと言うことに気が付かなかった。これからここに思い出増やすからと言われた。
康二くんとの思い出を眺めれるだけでとても幸せだった。

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