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第2話

No.1
47
2022/06/25 17:11
ねぇ、暑いんだけど
海斗
知らねーよ
海斗
俺の部屋はこれが限界
海斗
海でも行ってこい
えー、じゃーここわかんない
海斗
あーそれはー
ある年の夏休み。

冷房という文明の進化に、多大なる感謝を示すほどに外は暑い。最近は天気予報で、「真夏日」というワードを聞かない日はないだろう。

小学生からの仲である海斗と波は相棒という言葉が
よく似合う関係だ。

いつものように海斗の家で宿題を進める。
高校生ともなればさすがに莫大な量になる課題に2人で頭を抱えながら、いつもなんだかんだ楽しんでいる。
あーなるほどね
ありがと
海斗
お前そんなんもわからなかったら
やってけないぞ?
今わかったからいいの
海斗
普通に心配だわ
波よりもはるかに頭のいい海斗。高校の定期テストとなれば問題も難しくなるにも関わらず、入学当初からトップ10人から外れたことは無い。水泳部に所属しており、小麦色に焼けた肌がなんとも男子高校生らしい。

そして、頭こそあまりよくないものの、勉強以外は何をやらせても人並み以上の腕前の波。運動神経がいい上に歌も上手いと、オールラウンダーとして学年でも有名人である。

そんなふたりだ。相棒と言われるのも頷けるだろう。

学校ではもっと大人数で過ごしているが、夏休みなこともあって、2人で過ごすことが多い。

それぞれの両親も仲が良く、門限をすぎていても、どちらかの家にいれば特に怒られることも無いほどである。
あ、今度どっか遊びに行こーよ
海斗
あー次の日曜は部活ないから行けるぞ
みんな誘って行こ!
海斗
人集めとくか
海斗
どこ行くんだよ
海は飽きたぞ?
家の近くにある程度大きなビーチがあり、地元で遊ぶ時は決まってそこだった。
んー映画見に行く?
つまんないか
海斗
別に俺はいいけど、
お前がつまんないだろ
うん。
海斗
まーどっか探しとく
おっけー私も探しとく
海斗
了解、じゃあ続きやれ
あんたもでしょ
海斗
はいはい
その時、インターホンがなった。
海斗
ちょっと出てくる
しばらくすると、玄関の方から盛り上がる声がする。
階段を上がる足音が1人ではない。
蒼空
よっ
おーー蒼空!
久しぶりー
蒼空そらは、波と海斗の親友で、中学時代はずっと一緒に行動していた仲間だ。高校が違うが故に学期中はほとんど関わることは無いが、長期休みになるとよく遊びに来たり、遊びに行ったりする。
蒼空
ちょっと宿題が終わらなすぎるから
海斗に教えてもらおうと思って
今同じことしてたとこ
蒼空
おーそれは都合がいい
海斗
俺の仕事が増えんだよ
海斗
1回考えてから聞けよ?
蒼空
分かってるよw
はーい
海斗
そっちの高校は楽しいか?
蒼空
まぁまぁかな
蒼空
海斗の学校みたいに頭良くないから
校則も厳しいし、ちょっと破っただけで
先生めっちゃキレてくるし
蒼空
でも、学食の唐揚げめちゃくちゃ
うめぇんだよ!
いいなー、唐揚げ食べたい
蒼空
学食で買ったものは
校外に持ち出せないんだよな…
海斗
えーなんで?
蒼空
知らね
文化祭とかで食べれないの?
蒼空
無理だな
蒼空
文化祭の日は俺らも学食使えないんだよ
食べたかったなー
海斗
俺ん家の唐揚げで我慢しろ
海斗ん家の唐揚げも美味しいよね
蒼空
まぁなんか唐揚げってどこで作っても
うまいよな
海斗
わかる
わかる
海斗
……てか、唐揚げの話しに来たん
じゃないだろ
蒼空
あーそうだw
ごめんごめん
海斗ーこれ教えてー
海斗
これはー
蒼空
やっぱすげーな
あんなに楽しそうに喋ってたのに
ちゃんと進んでる…
蒼空も早く終わらして
今度一緒に遊びに行こーよ
海斗
まだどこ行くか決めてないけど
人呼んでどっか行こうぜ
蒼空
行くに決まってんだろ?
海斗
じゃあ来週の日曜、空けとけよ
蒼空
了解
それから何時間か喋りながら宿題を進めた。
結構な量を進めた3人は満足気に海斗の家から出た。

各々が家路に着くなか、波はふらりと海に立ち寄った。夕日で紅く光る水平線を眺めて、目を閉じる。この時間が波は大好きだった。

自分の能力に気がついたのも、十数年前の同じ時期だった。遊び疲れた日の夕方、ビーチで目を閉じると、夢を見ているような感覚になった。自分は今ビーチにいるはずなのに、学校にいたり、家にいたりする。それだけなら、うたた寝をしていたと思っていたのだが、そうは思わなかった。なぜなら周りの音が聞こえたからである。夢を見ているようなのに、すぐ側で波の音が聞こえた。

そして、そんな不思議な体験の次の日、夢のような感覚の中で見たことが、そっくりそのまま起こった。

信じられなくて、何度も何度も同じ方法で試した。そして、「明日起こること」が見えるということが判明した。ただ、あくまで「明日」だ。今日見えたことは明日起こることだが、明日になってしまえば、今日見たことは見れない。未来予知ではないのだ。つまり、明日なにか予想外なことや十分に未来が変わる可能性のあることが起きてしまったら、今日見た明日はあてにならない。
こんな能力、別に使わないのにね…
誰もいない海にポツリと打ち明けた。