第8話

No.7
150
2022/08/28 12:19
海斗は掛け布団を突き飛ばして飛び起きた。

いつも夢をあまり見ない海斗は、妙にリアルで鮮明に覚えている夢に若干の違和感を覚えた。
海斗
ほんとに…夢…か?
次の日、こんな妙な夢を見ることも無く、清々しい朝を迎えた海斗。時計を見ると、いつもの起床時間より10分ほど遅い起床だった。

朝から部活動があるので、今日は少しゆっくりめに家を出て、1本遅い電車に乗ることにした海斗は、用意を始めた。
駅まで歩く海斗は、何となく見た事のある景色に落ち着かなかった。昨日見た夢が鮮明に頭に残りすぎて、普段の道なのに既視感がすごい。

頭の中で色々と考えながら歩いていると、海斗は自身の目を疑った。
向こうの方から歩いてきたのは幼稚園児を何人か連れた幼稚園の先生だった。そんな偶然があるかと、目の前のありえない状況を頭の中で反芻する。気がつくと、目の前に先生は迫っていて、そして倒れた。
海斗
うそ…だろ…?
夢がそのまま目の前で起こっている。

ある種の恐怖を感じた海斗は、昨日の夢を思い出し、弾かれるように駆け出した。
海斗
そっち行っちゃダメだ!
もう既に車道に出ようとしている園児たち。

必死の思いで手を伸ばす海斗。
海斗
とどけっ…!






キキーッ
ギリギリのところで園児たちを抱いて倒れ込んだ海斗。騒ぎを聞いた大人たちが駆け寄ってくる。
海斗
俺よりあの先生を!
先程、目の前で倒れた先生を指さす。









それからいろいろあって、結局部活は休み、家に帰ってきた海斗。夢で見たことがそのまま起こったのが信じられなくて、ずっと目を背けていたが、やっぱり調べないと。波がいなくなってさほど時間も経っていないし、なにか関係あるかもしれない。そう思った海斗は、なんの理由もなしにとりあえず図書館へ。

図書館なんて何年ぶりだろう。久々の来館に懐かしさを覚えつつ、足を踏み入れたことの無い、大昔の資料などが置いてあるコーナーへ。
海斗
なんかあればいいけど…










近くの椅子には腰を曲げたおばあさんがいる。
図書館のおばあさん
今度はあの子かい…

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