無事にトイレ掃除を(恋雪は除き)逃れることができた私。
ぽつりと独り言を言いながらすっかり冷えたコンクリートの上を歩く。
自動販売機を見かけ、吸い寄せられるように近寄る。
温かいと書かれたココアを見つけバックのポケットに財布を取るために手を突っ込む。がさごそと目当てのものを探すも財布は見つからない。今日はブレスレットと共に財布も忘れてきてしまったらしい。
しかたのないので自動販売機からしぶしぶ離れ、再び家に向かって歩く。
はあと白いため息をつきつつも歩く。
なにか、獣のうめき声ような声、というか鳴き声が聞こえたような気がして振り返る。
しかし、後ろにはさっきのなんの変哲も無い自動販売機しか見当たらない。
ヒューと音を鳴らしながら風が吹く。
見えるわけでもない風をなんとなく見るふりをして再び歩く。
鳴き声がまた聞こえる。
今度は風の音ではなく、うめき声だと確信する。ゆっくりと後ろを見るが、やっぱり自動販売機しか見当たらない。
そのまま後ろを向き、観察する。
自動販売機の後ろで何かが動くのが一瞬見える。そして、物陰からついになにか薄い半透明なものが現れる。
ソレに目を取られていると、急に目の前から強い風を受ける。急なことに目を瞑る。
ゴオゥッと風が私を取り巻く。
吹き飛ばされそうになり、辺りに何かつかまるものがないか手探りで探す。
すぐ近くに掴みやすいものがあり、掴む。
風に煽られつつもなんとかつかまって耐える。
ヒュゥ〜
風が次第に弱まっていき、ついには無風になる。
ぱち
恐る恐る目を開くと....
広大な森が目の前に広がる。
さっきの自動販売機はもうどこにもなく、ただただ木が立ち尽くす。
力強い根に堂々と立つ太い幹、その先には枝が分かれに分かれ、広がっている。
そんな木が辺りに何本も生えている。それらは全てト○ロのあの有名な大きな木くらいに大きく、もはや巨人の森とも言っても過言ではないほどである。
困惑の辺りずっと掴んでいたものが動く。
そして気づく。私が掴んでいたものが何かを....。
_あとがき_
読んでくれてありがとうございます!
ちょうどよく切ることができてよかったー!ここからは途中できるのがちょっと大変になるかもしれないので次回は長くなるかもしれません....。もしかしたら!w
はい!ここで豆知識ー!(なんとなく)
私も初めて知ったのですが、自動販売機に知っておくと為になる意外と気づかれていないヒミツ(ではないけど)があったらしいんです!
おつりを受け取るトレーというか、出口?的なものの近くに白いシールが貼られているんですけど、そこに記されているものは自動販売機が置かれている住所らしいです!(ない場合もあるかもはしれません。)
「え?住所なんて、なにに使うの?為にならないじゃーん」って思った方と思ってない方!誰かが倒れてたらだとか、誰かが本当にヤバイ傷を負った時に使うんです!ここまで言ったら分かりますよね?
そう、救急車を呼ぶときに使えるんです!
電話で、「あれ、ここの住所なんだ!?」って思ったときに近くに自動販売機があれば!検索することなくすぐに言うことができますよね!
はい。というわけで人が倒れたり傷ついたりなど、そんなことはない方がいいと思いますが、あったときにはこれを活用して救急車を呼びましょー!(なんで上から目線なんだこいつw)
豆知識が多くなってすみません。ついつい熱く語ってしまいましたーwwwそれではまた次回!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。