あなたside
朝起きて、
ふと思い出した。
昨日の花火大会のこと
少し気が重い
そう思いながら私は
少しずつ学校へ向かった
そして、玄関に入ると
悠真くんがいた...
き、きまずい
そう思っていると...
えぇぇぇ
どう答えるべきなの?
どーしよどーしよ
頭が真っ白になった
と、とっさに出てきた言葉をそのまま
口にしてしまった。嬉しかったとか
キモいよねどーしよ
悠真side
て、え?
あの時はあっさり流してしまったけど
嬉しかったって言ったよな?
どーいうことだろ
あなたside
教室に入るとすぐに
話しかけてきたのは莉乃愛だった
莉乃愛side
なんかあったら言ってねって
なんかあっても言えるわけない
だってだって…
悠真のことが私も好きなの
なんて言えるわけないし
キーンコーンカーンコーン
そう思いながら授業を受けた
あなたside
今日の莉乃愛いつもと違う。
やっぱりなんかあったのかな
考えてるうちに授業が終わった。
あ、しまった。
授業ひとつも聞いてなかった。
やばい、ノートだけでも写しとかなきゃ
やばい心臓が...
顔を見るだけでドキドキする
緊張する。
昨日のこともあるし気まずい
悠真とまさとside
莉乃愛あなたside
悠真くんと話すのそこまで
気まずくなかったかも
放課後
家に着く
みんなでうなづく
んーどーしよ。
この問題分かんない。
うわぁぁぁぁ
か、顔が近い。
手が少し触れた
お邪魔しましたー
ばいばーい
こうして勉強会が終わった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!