私が小学生の頃
1人でお婆ちゃん家に行く途中の話だ。
その日は極寒の真冬にも関わらず
マフラーを忘れてしまった私。
雪が降る中、駅で電車を待っていた。
《✖️✖️行き電車が止まります〜…》
とアナウンスが流れるも、私が乗る電車ではなく
肩を落とす。
プーっと電車が鳴くと同時に頭に何かが落ちてきた。
取ってみると黒いマフラーだった。
目を電車に向けると
1人の私と同じぐらいの男の子が微笑みながら電車に乗った。
と手を伸ばすも届くはずがなく
扉は閉まってしまう
すると男の子は口パクでこう言った気がした。
「あげる」
私はキョトンとした顔で走り出す電車を見続けた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。