試合のホイッスルが体育館全体に鳴り響いた。
部員全員思いは同じ。絶対に勝つ。それ以外の答えはない。
試合も終盤に差し掛かった。
マッチポイント!この一点を取れば勝利。
私の前にトスが上がった。ボールは相手チームのラインギリギリのところに落ちた。
チーム全員で喜んだ。このメンバーで次は全国大会!勝つ!絶対に!
試合が終わり、ロッカールームで休んでいた。
すると、LINE電話の音が!
画面を見ると
私はそんなことを思いながら電話に出た。
でも返答したのは勇斗の声ではなく同じサッカー部員の声だった。
その後も部員の子が話してくれるんだけど、全然耳に入ってこなかった。
私は何も言わずにロッカールームを抜け出した。
私は無我夢中で走り抜けた。
やっとで学校につき、いつも練習してるところに向かった。
するとサッカー部はいつも通り練習をしていた。
電話をくれた子に聞いてみた。
保健室につくと勇斗は横になり眠ったままだった。
私は安心してふらっと倒れそうになった。
するとサッカー部員の子が
すると椅子に座らせてくれた。
そして横に一緒に座ってきた。なんか変な感じだ。
ちょっとした沈黙があった。
目が茶色で透き通ってて…
*以下、サッカー部員→板垣瑞生になります。
それからいろいろ話した。過去の思い出を。
まさか瑞生が私に好意を抱いていたなんて…
そのあとまた沈黙が…
すると急に瑞生が立ちあがり、私を勇斗の横にあったベッドに倒され押し付けられた。
私は横のベッドに寝ている勇斗を見た。
そう思ってたら瑞生の唇と私の唇が触れていた。
私はなんとか瑞生をどけようと必死だった。
でも男の力には勝てない。
瑞生の唇はいつしか私の首元にまで迫ってきていた。
瑞生は我に返ったように
私はあの時、時が止まったようだった。初めてだった。キス。私のファーストキスは瑞生に…
私はそのまま椅子に座りこみ、落ち込んだ。
すると…
勇斗と手が動いた。
勇斗はゆっくり目を開けた。
自分のことのように喜んでくれた勇斗。
ほんとに優しい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!