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あたしside
あの時 、当てないようにするなんて言ってたけど 、女の先輩が横から見てたから当てないなんてのはむりで結局ファーストキス取られちゃったんだよ
でもなぜだか嬉しく感じて離れたくないって思ったの
でも風磨くんはすきになっちゃいけない人のような気がしてこの感情は隠しておこうって決めたの
「 こないだはほんとにごめんな?」
『 いえ 、風磨くんの役に立ててよかったです 』
「 すげえ役に立ったよ 」
ありがとうなって笑いながら何回も頭を撫でてくれてこの時間がずっと続けばいいななんて思っちゃったりして
このまま離れたくないですなんて言えなくてわたしも笑いながらただ撫でられてることしかできないのが悔しくて
「 じゃあな 」
『 はい 』
風磨くんは帰っちゃうんだ
わたしがなんにもできないから
無力だから風磨くんを振り向かせることなんて出来ないんだ
瑞稀「 あなた 」
『 瑞稀くん 』
瑞稀「 あれ風磨くんでしょ 」
『 なんで?』
瑞稀「 いや 、あなたの彼氏でクラスで話題になってるよ 」
『 ・・・はあ?!』
ちょっとまって聞いてないよ?
瑞稀「 なに?違うの?」
『 ちがう 、はず?』
どういうことよ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!