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第29話

ライバル兄弟
 兄さんは冷房をつけて僕にたくさん言い寄った。
有一郎
……ったく!話せよ。
無一郎side
 なかなか口を開かない僕に兄さんはイライラしはじめてしまったみたい。やばい。兄さんをあなたさんのことで苦しめて、あなたさんのことで自分が悲しむのを避けて。あなたさん……僕はどうしたらいいのかな。助けてよ。
有一郎
話せないことなんて作るんじゃねぇよ
無一郎side
……。
有一郎
3つだけ教えてやる。
 兄さん……怖いよ。ごめんね。ごめんね。僕が悪かったよ。ごめんなさい……。兄さんの気持ちに気づかなかったんだ。兄さん、あなたさんと映画行くプランまで立てて、頑張ってたのに。僕が好きな人あなたさんって言っちゃったから。
無一郎side
……うん
有一郎
1つめ。
無一郎side
…………
有一郎
俺はあなたが好きだ。
無一郎side
………………
 ……。知ってる。知ってるよ。
でも、こんなに直単に言われると返す言葉が見当たらないよ、兄さん。
有一郎
あなたのことはお前が
あなたを好きだと気づいた
4ヶ月くらい前から好きだ。
 兄さんの目は鋭く光っていた。なんだろう。僕を敵だと認識したような目…。とても恐ろしい。
無一郎side
……知ってるよ
無一郎side
でも……
無一郎side
兄さんの気持ちに気づいてから!
僕は……
無一郎side
僕は……
有一郎
黙れ
 え……。黙れ……?
有一郎
2つめ。
有一郎
俺はお前をライバルだと思っている。
無一郎side
…………
有一郎
ライバルだと思っているが、
兄弟は兄弟!
お前は大事な弟だよ。
無視なんてしないし、
不快には思わない。
 ……兄さん。僕……。
有一郎
3つめ。
有一郎
俺は明日出掛ける。
あなたと映画を見に行く。
しかし、
それはただのお出掛けにすぎない。
デートでもなんでもない。
安心しろ。
無一郎side
じ、じゃ……兄さん……僕たちは……
有一郎
恋のライバルでもあり、
大切な双子の兄弟だ。
 兄さんの顔がぼやけた。
無一郎side
……あ
有一郎
泣いてんじゃねぇよ
泣いてたら俺や我妻先輩に
あなたをとられちまうぞ
 兄さんは俺にそう言ってデコピンした。
無一郎side
いたぁあい!!!
兄さん!酷いよ!!!
 僕がおどけてみせると兄さんはクヒっと笑った。
有一郎
そうだ。
それこそが、無一郎だ