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第37話

お風呂
無一郎
お風呂沸いたから入っておいでよ
 そう言われてお風呂場まで案内された。人の家でお風呂に入るだなんて、はじめてかもしれない。というか……お風呂からあがった後は何を着れば……?流石に貸してもらうわけにはいかないし……。
有一郎
おい、無一郎
無一郎
なにー?
有一郎
俺、買い物いってくるよ
無一郎
え、どうして?
有一郎
あなたがお風呂からあがったら
着る服がないだろ?
あなた

あ、お金……

有一郎
お金はいらないよ
あなた

え、そんな……悪いよ

 有一郎くん、今日私にどれだけ奢ってくれたか。カフェでのカフェラテとポップコーン……。これ以上は流石によくないだろうし、私達まだ中学生だから……。
無一郎
そんなのいいよ。
僕の服を着ればいいじゃん
有一郎
……っ!?
お前正気か?!
無一郎
うん。
兄さん、雨のなかは流石に危ないよ
あなた

え、でも……

無一郎
拒否権はなし!
ほら、風邪引くよ?入っておいでよ
 無一郎先輩が有一郎くんを強引連れて脱衣場を出た。え……。どうしたらいいの?
……とりあえず…お風呂……入ろうかな……。
 戸惑いながら浴場の扉を開けるとふわぁ~と湯気が私をまとった。
あなた

(前が見えない……)

 ゆっくりゆっくり前に進むと湯気が晴れて、私の目の前には、とっても広い大浴場が広がっていた。
 ここは東京のはしっこ。ほとんど千葉県に近い。電車に乗れば都会にいける。ここは、自然溢れる住宅街。大豪邸の有一郎くんと無一郎先輩の家のお風呂って、予想していたものよりもはるかに広い……
 体と頭を洗ってお湯に浸かる。雨に濡れて冷たかった体が一気に暖まる。
あなた

(ポッかポカだ)

 銀杏を型どったタイルはとても美しく、高級温泉旅館の大浴場を独り占めしている気分。
 とっても気持ちいい。