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第13話

ブランコのうえで
無一郎side
 あなたさんからLINEが。兄さんのスマホに。あなたさんからLINE……兄さん……。
 胸が苦しい。見てはいけないものを見てしまった気分。背筋が凍る。怖い怖い怖い。僕の感情のなかにうっすらと兄さんを憎んでいる自分ができた気がしてたまらない。
 僕は家を飛び出した。
 そうだ。高橋さん……!高橋さん!助けて!僕は……大切な兄さんを憎んでしまうよ。この病気のせいで。あなたさんを自分だけのものにしたいから。あなたさんが他の人と話しているとこう……しんどくなるよ。
 ちかくの公園、青空公園は雑草がぼうぼうと生えていてもうほとんど人がいない。隣がコンビニだからフリーWi-Fiは通っている。
 高橋さんにLINE通話してアドバイスをもらおう。
利奈
もしもし?時透先輩?
無一郎side
どうしよっ……僕……。
 僕は全てを高橋さんに話した。
 兄さんのスマホを勝手に触ったこと。
兄さんのLINEを勝手にみたこと。
兄さんが本当は大好きだということ。
あなたさんを自分のものにしたいということ。
へんな病気にはもう懲り懲りだということ。
兄さんを憎んでしまいそうで、もう憎んでしまっている気がして怖いということ。
 全て話した。
利奈
先輩は病気じゃないです。
無一郎side
え。
利奈
先輩はあなたが好きなんですよ!
利奈
恋してるんですよ!
無一郎side
違う!病気だぁっ!
 ブランコに座りながら自分が病気だと肯定させていく。だって、恋は、
無一郎side
恋はね。胸がキュンキュンして
楽しいものなんだよ。
甘露寺先輩が言ってたんだもの。
利奈
そりゃあ……
無一郎side
でも、僕は今!
ツライの三文字でこの傷が表せていいものか分からないくらい傷ついた!
利奈
恋は……楽しいだけじゃないんです。
苦しくて泣きたいときもあるんです。
先輩は、恋の辛いところだけ
ピックアップして
見ているだけなのですよ。
無一郎side
え……
 恋を語る高橋さんの声は
まるでお日様のような、
ぽかぽかした暖かい声をしている。
利奈
先輩。
あなたと一緒にお弁当食べて、
辛かったですか?
泣きたくなりましたか?
無一郎side
ううん……
利奈
ですよね?
そこが恋の楽しいところですよ。
恋の苦しいところばかり見てると
余計に苦しくなりますよ。
利奈
先輩は恋してるんです。
無一郎side
僕は……






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無一郎side
恋してる。
無一郎side
あなたさんに。