無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第15話

見たいよ見せてよちゃんと見てよ
有一郎side
4月
有一郎side
君はサボら無いのか?
 不思議に思って声をかけた。
 夕日に染まった真っ赤な音楽室で1人、
きみは楽譜にひたすら何かを書き込んでいた。
 他の1年生は部活がしんどくて用事をつけてサボっている奴が多い。
なのに、きみは1度もサボることなく部活動に取り組んでいる。
普通だったら周りに流されるのに。
あなた
好きなんです……トランペットが。
 机に向かってきみは呟いた。
 透明感のある、今すぐ消えてしまいそうな細い声。
有一郎side
そうなんだ。
 きみはすごいよ。心から尊敬する。
 俺が1年生のときは真っ先に逃げることを考えたから。周りにばれずにこっそりと逃げる方法を考えまくっていたから。
あなた
あの…。
有一郎side
ん?
あなた
時透先輩って普通ですねぇ。
有一郎side
へ?
 きみの口からでた意味のわからないことば。
あなた
あ、あの、その。
怖い怖いって言われてるじゃないですか
 うん。ナニソレ。初耳なんだけど?
 俺、恐れられてたんだ。
有一郎side
ま、まぁね?
 知ってるふりをする。
 まぁ、安心しなよ。きみには優しくするよ。ナニがあっても。僕はきみには怒鳴りはしない。
あなた
もっと怖くて、
なにもしてないのに怒鳴られちゃうかと思いました
 エヘヘと笑って話すきみ。
 きみは意外とおしゃべりさんだなぁ。
有一郎side
そんな理不尽なことはしないよ
あなた
そうですかぁ
 きみは作業をしながら俺と話す。できたら、作業をやめて俺との会話に集中してほし……いなぁ……。
 音楽室の窓際の、後ろから二番目の席に座っているきみは1度も俺と目を会わせたことが無いと思うんだ。
 今だってこっちをみないじゃん。
 どうしたらきみは僕の目を見てくれる?
 そうだ
有一郎side
そういえば、
最近は聞かないなぁ。
あなた
……何をです?
 作業をしながらきみは言う。
有一郎side
七不思議だよ。
ほらピアノが勝手になったりするやつ。
あなた
そうですねぇ。
聞かないですね。
 また作業しながらきみは言う。
今だ
『ド_____レ______ミ______』
あなた
え?!
 ピアノの音が勝手になる。
____まぁ、勝手になってる訳がないけど。
 この音楽室は合唱部と共同に使っているからボイトレ用のピアノの音が録音されたCDが常にスピーカー7のなかに入っている。
スピーカー7の電源を近くにあったリモコンで遠隔操作でいれてリモコンで音をならした。
 ビックリした君は思わず顔をあげて声を出した。
 正面向いて俺を見つめたきみはとてもきれいだった。あぁ、これが一目惚れかもしれないなと確信した瞬間だった。
 少しズルい手口を使ったけれど、俺にとってはきみを好きになれたひとつの素敵ないたずらだから、許しておくれ。
 俺はきみが好きだよ。あなた。
────────────────
現在
有一郎side
あなた!
あなた
有一郎くん?
有一郎side
パンはパンでも
食べれないパンはなーんだ!
あなた
……ふふふ。
フライパンでしょ。
有一郎side
ブッブーーー!
あなた
パンダってこと?え?
だって……メジャーなやつじゃん!
フライパンってさ!
有一郎side
竈門 禰豆子でしたぁー!
あなた
……はい?
有一郎side
ほら、
フランスパン咥えてるじゃないか!
あなた
竈門先輩は食べられないけど、
フランスパンは食べられるよ。
有一郎side
う……
あなた
それに
『食べれないパン』じゃなくて
『食べられないパン』ですよ。
[ら]が抜けてます。
ら抜きことばっていうんですよ。
有一郎side
へ、へぇ。
あなた
正しい日本語使いましょ!先輩。
有一郎side
うう……
 この恋はいつ実るのだろう。
 俺がフレンドリーなキャラクターを演じるのをやめてしまうとあなたは離れていってしまうのかな。
 いつかは本当の俺を見て欲しいな