ピリついた空気感の中
話し始める。
阿部「今回、健人達にこうやった話が貰えて本当に光栄だと思う。俺達の仕事もいつまで続くかわかんないから。」
中島「だけど」
阿部「うん……やっぱり、あのカフェが好きなんだよね。だから今回の件はごめんなさい」
菊池「なんか、こうなるって分かってた気がする」
佐藤「同じく。阿部ちゃんがどんだけあっちに染まってるか知ってたしね。わかってたよ」
中島「姫はまだ、言いたいことがあるんじゃないの?」
阿部「うん……」
俺が話しにきたのは
阿部「俺が話したいのは……ビジネスと思ってくれて構わない。」
中島「何なに。面白そう」
阿部「俺たちの商売は、主に昼。健人達は昼と夜どっちもやってるよね。」
菊池「まぁそうだね。」
阿部「俺たちにも夜が欲しいんだ。俺はどっちもwin-winな話だと思うんだけど」
健人達のお店と俺たちのお店で
コラボを行う。
健人たちにはキスだとはしない。
健人や勝利、風磨に聡ちゃんとマリウス
時々、こちらのお店で働いてもらう。
その分、ホストの時間や執事の時間
俺達もお店を手伝う。
お互いに、遠くて近い関係のお店だからこそできる
宣伝効果や、勉強にもなると思う。
阿部「どうかな?」
佐藤「いいよ!」
菊池「えっ返事早くない?」
佐藤「だって、こんなにいい話ないじゃん」
中島「そうだね……姫。その話いいよ」
阿部「ほんとに?!ありがとう」
菊池「でも、楽しみだな~。そっちの店の人ほとんど知らないし」
阿部「いい人ばっかだから安心して」
中島「姫とキスするんだ……緊張する」
阿部「しないから!絶対に」
中島「えーまぁいいけど」
佐藤「今日、夜はやらない予定だったけど、阿部ちゃん来たし、やっちゃう?」
菊池「いいねー賛成」
阿部「まぁ……いいよ。でもやって平気?」
中島「もちろん。今日は常連さんだけな。よっしゃ!行くぞー」
スーツに着替えて、念の為に作ってあった名刺を持って
人の盛り上がってる方にむかった。
阿部「どーも阿部です。座っていい?」
『どうぞ。阿部くん、久しぶりだねっ』
阿部「そうだね。俺がここで働くのはほんとにする無いから、今日は……あれ開けてくれる?」
『阿部くんの頼みなら、もちろん』
女の子の肩を組んで、笑った。
阿部「ありがとう。シャンパンタワー入ります」
この顔は蓮も知らない。
俺がこんなにお酒が飲める事も、手伝いで一時期やっていたことも。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。