__
凛莉の頬を叩いた後、
五条が空き教室へと入ってきた
涙目になる凛莉
五条は、凛莉の真っ赤な頬を見て察したのか
私を見る
驚いた顔でそう言う五条
叩いたのは叩いた
でも
ギュッ と拳を握る
凛莉が五条に抱きつき、顔を五条の胸にうめる
今までに聞いたことない低い声でそう言い、冷たい目で私を見る五条
もう限界だった
急いで空き教室を出る
涙がとまらない
何で私って高専にいるんだろう
高専にいても傷つくだけなのに
私の実家の近所に呪術師がいる
その呪術師にいろいろと教えてもらうことはできる
そう思い、カバンに必要なものを詰めていった__
next
__________
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。