第13話

十三 いってきます
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2022/11/04 12:36
木崎 可子
止めに行く………っていったって、わたしやり方わからないし……
木崎 可子(初代?)
そのための、前の自分でしょ?
たしかに、前の自分がいるというのは心強いけど………

でも、縄が切れるのを防いだわけではない

だから、正直言って本当に力になるのかは不安
木崎 可子(初代?)
………勝手に切れるって言ったけど、少し訂正
木崎 可子(初代?)
勝手に切れてるわけではないわ
木崎 可子(初代?)
毎回切っているのは、最初の私よ
木崎 可子
は………?
え、でもだって……

そんな、繰り返す世界の中で最初の私が存在できるわけがない………

存在できたとしても、縄が切れるのを止めるのが彼女の役目じゃ……?
木崎 可子(初代?)
………切っているのは、自我がない最初の私
木崎 可子(初代?)
ここまで言えばわかる?
木崎 可子
自我がない………?
………もし、最初の私がこの世界に恨みがあったとして

それで縄を切ったとする

縄を切ったのがこの世界の仕組みを理解した上で切った場合

でも、それだと自我はあるし…
木崎 可子(初代?)
要はその逆よ
木崎 可子(初代?)
仕組みを理解した上で縄を切ったのなら、自我がないわけないでしょ?
木崎 可子(初代?)
感情的に切った、そう捉えればいい
木崎 可子(初代?)
まさか世界が崩れるなんて思わず、感情的に、少しでも自分の世界への復讐ができればと思ってやった
木崎 可子(初代?)
それだと、辻褄が合うでしょ?
木崎 可子
ああ……
確かにそれなら辻褄が合う
木崎 可子
でも、世界が回ってるなら
木崎 可子
崩れると同時に消えるはずじゃないの?
木崎 可子
だって、前の世界の人たちは、私たち以外消滅したでしょ?
木崎 可子(初代?)
そう、問題はそこなの
木崎 可子(初代?)
それを突き止めるの!
そう言って、私を指差してきた
木崎 可子
え、私が?!
木崎 可子(初代?)
もちろん
木崎 可子(初代?)
 多分、この世界の私にしかできないから……
木崎 可子
え、なんて……?
木崎 可子(初代?)
……まあ!とにかく頼んだわよ!
最後の言葉、聞き取れなかった

それに、焦ってる
木崎 可子(初代?)
時間がないからね
木崎 可子(初代?)
これから、忙しくなるから頑張って!笑
はじめて、こんな無邪気な笑顔見た気がする

今までずっと真剣な表情だったから
木崎 可子(初代?)
これから何度も会うけど、とはいえ送り出すんだから!笑
木崎 可子(初代?)
じゃ、いってらっしゃい
木崎 可子
うん、
いってきます____

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