第45話

悪夢
2,051
2021/03/11 05:51
今俺はあなたと屋上に2人だけ

でも俺はあなたの後ろ姿を見ている

あなたは数歩すすめば下に落ちる




『あなた…?』




相原「あ…なんでここにいるの?」




『あなたこそなんで?』




相原「なんか…疲れちゃって、」




そう言ってあなたは悲しそうに笑う




『そんなとこいたら危ないよ』




『こっちおいで?』




相原「もう、あなたには何も残ってないの」




あなたは何を言っているんだろう

考えれば考えるほど分からなくなる




『あなた…』




俺があなたに近づくとあなたは後ろに下がる




相原「ねぇ…もしあなたがここから落ちたらどうする?」




『何を言ってるの?』




相原「ここからなら飛べるのかな、」




『ダメだよそんなことしたら、』




相原「でも今まで頑張ったしジャニーさんも許してくれるよね、」




『ジャニーさんが許しても俺は絶対許さない』




『だからそんなことやめて悩みがあるなら俺に話してほしい』




相原「話したところで何も分からないでしょ?」




『分かるよ』




相原「分かんないよ!分かるわけないじゃん!」




相原「今まで耐えてきた批判の辛さ!女子だから何?男社会に女1人だから何?あなたが男だったら良かったの?女だからって好きなダンスも演技も制限されて!」




あなたのことはなんでも知っていた

いや、知っているつもりだった

俺は何も分かってなかったみたい




相原「デビュー信じてここまで走ってきた!でももう疲れたの、もう嫌なの、」




デビュー信じて走った?

俺らもうデビューしたじゃん

あなたも含めた10人でデビューしたよ、?




相原「だから…ごめんね、今までありがとう」




そういうと俺の前からあなたが消えた




ドンッ!




きゃぁぁぁぁ!!




遠くから、近くから悲鳴が聞こえる、

あ、あなたは落ちたんだ、

そう理解するのに時間がかかった




『あなた…』




俺が最後に見たあなたは悲しそうに、なにかを諦めたような、儚い笑顔だった…




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