目が覚めて時計を見ると
10:15
熱下がったかも
そう思っておでこに手を伸ばす
うん 熱くない
すーすー と寝息が聞こえて横を見ると
ユンギさん…?
あれ、帰ったんじゃないの?
目元をよく見るとクマが
遅くまで付いててくれたのかな
私はユンギさんの髪の毛を触る
ちょっと傷んでいて
でもさらさらで
しばらくの間私はユンギさんの髪の毛を触る
小さくそう呟く
あ、起きた?
様子を伺っていると
“ ふぁ ”
ってあくびをしながら伸びをするユンギさん
眠そうに目を擦っててなんかちょっと笑っちゃう
“ そっか ”
って呟いて頭を優しく撫でてくれる
びしっ と言われて私は首を縦に振ることしかできない
熱を測ると平熱に戻っていた
それを見てユンギさんが立ち上がる
そっか、ユンギさん帰っちゃうよね
1人ってやっぱり寂しいな
そう思ってユンギさんの背中を見つめる
私の心を見透かしてか
背中を向けたまま私に話しかけてくる
そう言って私の顔を覗く
“ ん、 ”
って頷くユンギさん
んふふ 嬉しいっ
今日はユンギさんとまったりした日を過ごした
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。