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第1話

生意気ハニー
1,301
2020/07/17 13:50
✖️及川徹







真面目な恋の物語。
ゲームじゃなくて、本気の「好き」。
今思えば、あなたに会うまでの俺は最低だった。
恋の意味すら、分かっていなかったのだと思う。
第一印象はキツそうな子。
敵が多いんだろうなーって印象。
同じクラスになるまでは、存在すら知らなかった。
友達の友達。そんな位置付けだった。









その位置付けが変わったのはいつからだったのだろう。
そうか、それは、あの時…。









3年に上がって、あなたちゃんと初めて同じクラスになった。
綺麗な顔立ちだな、なんてぼんやり思ったのを覚えている。

初めて話したのが、進級して暫く経った時、席替えで隣の席になったのがきっかけ。

いつものように仮面を被って、
宜しく、と笑いかければ、あなたちゃんは不思議そうな顔をして、
貴方
貴方
楽しくもないのに笑ってて疲れない?
岩ちゃんにしか知られていない俺の本心。
それを言い当てられたものだから、酷く動揺した。
それ以上に、あなたちゃんの事をもっと知りたいと思っている自分がいる事に驚いた。
それからは、毎日毎日あなたちゃんに話しかけた。
あなたちゃんは迷惑そうな顔をするけど、必ずちゃんと話をしてくれて、優しいあなたちゃんに少しずつ惹かれていった。
少しずつ、あなたちゃんからも話しかけてくれるようになったのが、凄く嬉しかった。
及川徹
及川徹
俺さ、あなたちゃんの事好きになっちゃったかも。
俺の言葉に、あなたちゃんが目を見開く。
貴方
貴方
ほんっとチャラい。
どうやら信じてくれていないらしい。
及川徹
及川徹
本気だよ。
あなたちゃんは俺の事嫌い?
こんな質問、狡いって分かってる。
だけど、あなたちゃんからの好きって言葉を聞きたかったんだ。
貴方
貴方
好きか嫌いかって言われたら、
…多分、好き。
真っ赤な顔のあなたちゃんの言葉。
言わせたような物だけど、脈アリで胸が躍った。
貴方
貴方
で、でも!友達からね!
初めて、だから…。
同じなんだ、俺も。
こんな気持ちは、初めて________________









俺の告白から暫く、あなたは告白なんて無かったみたいに接してくる。
やっぱり、無理やり言わせちゃったからかな、なんて不安に思っていたある日、
貴方
貴方
もし自信持てたら、
…告白は私からね。
最後まで言わない、震えたあなたの声。
君らしさが可愛くて、どうしようもない愛おしさが込み上げてきた。
及川徹
及川徹
あなた、好きだよ。
貴方
貴方
…目移りする癖に。
思った事を伝えれば、赤くなって目を逸らされる。





あなたが俺のこの言葉に、同じ言葉を返してくれるのを、いつまでも待ってるよ。

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