第3話

3話
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2023/03/19 11:00
『お兄さんと一緒が良い!』
びっくりした。

ついさっき会ったばかりの俺と一緒に居たいって…。
辰哉「ホントに良いの…?」

『ダメ…?』

辰哉「ダメじゃないよ…。」

『でも、顔が困ってる…。』

辰哉「え?」

『ごめん、なさい…。』
困ってるんじゃない。

そうすぐに言おうと思ったけど、やっぱりどこかに戸惑っている俺がいて、すぐには言えなかった。

そしたら、あなたちゃんは苦しそうな顔をして泣いてしまった。
亮平「えっと…。あなたちゃん?大丈夫だよ?」

『ふぇっ、ふぇっ…。泣』

照「大丈夫だよ~。」
照がそう言ってあなたちゃんのことを抱きかかえた。

するとあなたちゃんは、照の胸に顔を押しつけ、声を上げて泣いてしまった。
亮平「ふっか!なんとか言いなよ!あなたちゃん、誤解してるよ?

辰哉「分かってるって!でも…。

亮平「でも?

辰哉「本当に大丈夫なのかなって…。俺なんかで良いのかなって…。

亮平「…あなたちゃんは、ふっかだから良いんでしょ?
阿部ちゃんのその言葉を聞いて、はっとした。

あなたちゃんは、きっと今まで誰にも甘えられなくて、苦しい思いしてきて、必死で逃げてきたんだ。

人と関わるのも嫌なのかもしれないのに、俺についてきてくれた。

もし、本当に俺が良いなら…。
辰哉「あなたちゃん?」

『うっ、うっ…。』

辰哉「これから、ずっと一緒に居よ?」

『…いい、の?』

辰哉「うん。俺は、一緒に居たい。」

『嫌、じゃない…?』

辰哉「うん。」

『いらない、子じゃない…?』

辰哉「うん。あなたちゃんは、俺にとって特別だから。」

『ホント?』

辰哉「うん。だからね、これから、ずうっと一緒にいてくれませんか?」

『コクリ』
あなたちゃんは、照の腕の中で頷いた。

そんなあなたちゃんの頭を撫でると、あなたちゃんは嬉しそうな顔をした。
照「良かった…。」

亮平「そしたら、ふっかのお母さんにも伝えなきゃね…。」

辰哉「だな…。」
1階に戻ろうと思い、部屋のドアを開けると、母さんが居た。

なぜだか知らないけど、母さんは泣いていた。
辰哉「母さん!?」

母親「辰哉ぁ…。あんた、本当に良い子になったね…。泣」

辰哉「えぇ?」

母親「あなたちゃんのことよ!」

辰哉「その…。母さんはさ、認めてくれる?あなたちゃんのこと…。」

母親「勿論!あなたちゃん?これから、よろしくね?」

『んぇ?』

母親「可愛らしいわねぇ。こんなに小さい子を見たのはいつぶりかしら…。」

辰哉「俺ぶりじゃね?」すみません、妹さんはいない設定で…🙇

母親「もうそんなになるのね…。」

『お母さん?』

辰哉「ん?…そうだね、あなたちゃんのお母さんかな?」

『お母さん!!』

母親「まぁ!なんだか若返った気分…。」

辰哉「安心して、若返ってはいないから。」

母親「相変わらずの所もあるようね…😢」

亮平「アハハ😅」

照「ふっか…。笑」

辰哉「え?」
次の日、学校が休みで、仕事も入っていなかったから、区役所に行った。

何で?

そりゃ、あなたちゃんのこと知るために!

生年月日とか、本名とか、本人が覚えてないことも分かるだろうしね。

後、あなたちゃんを酷い目に遭わせてた張本人である親について、少しは知れると思ったし。
辰哉「あの、すみません。」

役所の方「はい、どうかされましたか?」

辰哉「この子のことを知りたいんですが…。」
そう言って、あなたちゃんのことを役所の人に見せると、役所の方が大きく目を見開いた。
役所の方「えっ、ちょっ…。もしかして、この子の親御さん、また何かしたんですか…?」

辰哉「また…?」

役所の方「…少しお時間をいただきたいのですが、よろしいですか?」

辰哉「はい…。」
俺とあなたちゃんは、役所の会議室みたいなところに案内された。

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