辰哉side
辰哉「あなたちゃーん!」
『辰哉くん!!』
俺の部屋で絵本を読んでいたあなたちゃんに声をかけると、あなたちゃんは俺の脚に抱きついてきた。
……可愛いかよっ!
辰哉「可愛いなぁ~。」
『辰哉くんは、面白い!』
辰哉「そう?ありがとう。笑」
『んへへ(o^^o)』
辰哉「…あなたちゃん?」
『なぁに?』
辰哉「もうそろそろ、小学校のこと、考えなきゃいけないんだ。」
『うん。』
辰哉「あなたちゃんは、どうしたい?」
『どうしたいって、どういうこと?』
辰哉「どこに行きたいとか…。」
『?』
辰哉「……………名字、どうしたいとか。」
『Σ( ̄□ ̄)!』
辰哉「表情豊かすぎ。笑」
『んえ?』
辰哉「いや、なんでもない。笑」
『学校は、1番近くのところが良い。』
辰哉「うん、分かった。」
『名字は……。』
辰哉「?」
『碧海のままが良い。』
辰哉「え…?」
てっきり、深澤にしたいのかと思ってた…。
辰哉「どうして?」
『んーと…。ママは、怖かったし、一緒に居るのは嫌だったけど…。』
辰哉「けど?」
『ママは私のママだから。』
辰哉「っ…。」
『本当のママは、1人しか居ないから。そのママとつながってる、唯一のものだから。』
辰哉「……そっか。じゃあ、碧海のままで良いね!」
『うん!』
辰哉「ごめんね、急に。」
『ううん。良いの。』
辰哉「じゃあ、絵本の続き、楽しんで?」
『はーい!』
小学生にこんな事聞くのは、おかしいかなって思ったけど…。
あなたちゃんは想像以上にしっかりしてて。
自分の考えをしっかり持っていた。
その事が嬉しかった。
母「どう…だった?」
辰哉「……あなたちゃん、ホントにちゃんとしてるね…。」
母「で?で?結局どうなったの??」
父「母さん、落ち着け。」
辰哉「名字、碧海のままが良いって。」
母「…そう。深澤になったら、本当に私の子供だっのに。」
辰哉「残念そうにしないでよ。笑」
父「あなたちゃんが決めたことだからな。尊重するしかないよ。」
母「そうね。それに、碧海って素敵な名字よね!!」
辰哉「それ思った!!めっちゃキレイだよね!!」
父「珍しいよな、碧海だなんて。」
辰哉「日本中捜しても、あんまりいないんじゃね?」
『何がー?』
辰哉「おっ!あなたちゃん、絵本読み終わった?」
『うん、辰哉くん何してるかなって。』
辰哉「あなたちゃんの名字の話してたの。」
『あおみ?』
辰哉「うん。綺麗な名字だねって話してたの。」
『漢字、難しいの?』
辰哉「うぇ?う、うん。かけるの…?」
『ううん。書けない。でも、前にお父さんが書いてた!』
辰哉「そうなんだ!」
『お父さん、どこ行っちゃったのかな…。』
辰哉「え?」
『お父さん、私より先にどっか行っちゃったの。』
辰哉「そう………なんだ。」
『どうしたの?』
辰哉「……………。」
『辰哉くん?』
辰哉「………。」
『ん……。辰哉くんっ!!』
辰哉「んぇ!?なに、どした?」
『無視した…。』
辰哉「ご、ごめん…。」
『んーん。辰哉くん、なんか悩んでた…。』
辰哉「え?」
『だいじょーぶ?』
辰哉「う、うん。大丈夫だよ。」
『ホント?』
辰哉「うん、大丈夫。」
『そう?ならいいや!』
辰哉「はぁ…。癒やされる……。」
⛄がたくさん居たので、思わず撮ってしまいました笑
こんなに沢山の人に作品を読んで貰えて、嬉しいです😭
始めは「100行けばいいかな~」ぐらいに思っていたのに、いつの間にか沢山の人に作品を読んで貰えて、900間近になりました。
ありがとうございます。
これからもマイペースな作者をよろしくお願いいたします🙇
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。