渡辺side
翔太「おう、ありがとうな。」
ふっかがどうして俺達にあなたちゃんのことを隠してたのか。
ふっかが言っていた理由はなんか違う気がしてた。
俺らは前のグループからずっと一緒にいる。
付き合いも長いから分かるんだ。
あいつが本心じゃないこと言ってるって。
話してる最中、ずっと気がかりだった。
辰哉「…やっぱり、なべには隠せないね…。笑」
翔太「付き合い長いんだから、分かるよ。」
大介「俺らも、何となくそんな感じはしてたしね。笑」
亮平「うん。笑」
やっぱり、他の奴らも分かってたんだ。
ふっか、お前が思うほど俺らも鈍くねぇからな?
辰哉「ねぇ、なべ。」
翔太「なに、そんな顔して。笑」
辰哉「俺さ、今この道作って、歩いてて、良いのかな。」
翔太「…何言ってんの?」
辰哉「いや、皆とこうやって活動してるの楽しいし。先輩たちも皆優しくて、毎日凄い楽しいよ。でもさ、本当にこのまま行っても良いのかなって。」
翔太「……お前さ、この前阿部に言ってただろ。」
辰哉「え…?」
翔太「“Snow Manが駄目だったらジャニーズ辞める”って。」
辰哉「聞いてたんだ……。」
翔太「聞こえちゃったんだよ。」
辰哉「………。」
翔太「Snow Man、まだ駄目じゃ無いだろ。まだ分かんないじゃん。」
翔太「本当に終わりになるまで頑張ってみようよ。」
辰哉「…うん。でも、俺の中でこれ以上はって思ったら…」
翔太「辞めてもいい。それはお前の自由だ。でも、そんなこと思わせるつもりねぇから。そんなこと思う暇も無いぐらい、お前のこと楽しませてやる。」
辰哉「…うん。ありがとう。」
翔太「…お前が居なくなると俺らが困るからな。笑」
3年ぐらい前、こんな話をした。
この時、ふっかはあなたちゃんのことで悩んでたのかもしれない。
あなたちゃんがこれから生活していくのに、俺だけこんなんじゃ駄目だって思ってたのかもしれない。
でもさ、俺らはお前が居ないと元気でないんだよ。
何回もぶつかって、喧嘩ばっかりしてきたけど、俺らにとって、何よりもかけがえのない存在なんだよ。
『あの…渡辺さん…。』
翔太「ん?どした?」
『辰哉くんが皆さんに隠し事をしていたのは…。私のことを隠していたのは、辰哉くんなりの優しさなんだと思います。』
辰哉「あなたちゃん…。」
『だから、理由を聞いても責めないで下さい。お願いします。』
あなたちゃんはそう言って深く頭を下げた。
とても子供には見えない。
ふっかが教えたのか、それとも実の親の前ではいつもこうだったのか。
そんなことは分からないけど、あなたちゃんの本心だって事は流石の俺にも伝わった。
翔太「分かってる。ふっかを責めることは絶対にしないよ。」
『…ありがとうございます。』
あなたちゃんの声が少しだけ子供らしくなっている気がした。
やっぱりまだ子供なんだ。
そんな可愛らしい一面を覗けた気がした。
どうも、作者です🙇
更新遅くなり、大変申し訳御座いません🙇
しばらく、更新は3,4週間に1回になってしまうと思います。
楽しみに待っていた方には本当に申し訳ないです。
他の作品の更新頻度も落ちると思います。
迷惑をかけてしまい、本当にごめんなさい🙇
次のお話しも楽しみにしていて下さい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!