第4話

第1章『花言葉』【3】
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2018/03/25 22:48
保健室に着いた。

コン、コン
魚住 彩葉
はい~
川嶋 葵衣
魚住先生、神楽が怪我してしまって…
魚住 彩葉
あら、そうだったの。見せてみなさい
養護教諭の魚住 彩葉先生。
魚住 彩葉
針でも刺しちゃった? 深く刺さると細菌感染しちゃうのよね。腫れて、痛みが酷くなったり膿が出たりするの。指全体が赤くなったり、腫れ上がったりするのよ~。気をつけてね
そう言いながら、消毒液をかけてくる。
絆創膏を貼って貰うと、すぐに血が滲んできた。
漆原 神楽
針じゃなくて、アザミの葉の棘です
魚住 彩葉
アザミ~? アザミの棘なんてどこで刺してきたの?
漆原 神楽
机の中に花束があって、その中にアザミが…
魚住 彩葉
花束、ねえ~
漆原 神楽
あ、ありがとうございました。教室に戻りますね
魚住 彩葉
ええ。今度は刺さらないようにね~
保健室を出ると、小さい黒いものが落ちていた。
それは、黒い紙で折られた猫。
川嶋 葵衣
神楽、それ…
漆原 神楽
うん…
これはきっと、あの紙と同じものだろう。
折られているところを戻し、開く。

〈今夜【22:00】ここ、命花中学校の校門で待っている〉

命花の校門。
川嶋 葵衣
二十二時…命花の校門?
漆原 神楽
葵衣、これ行った方がいいのかな…
川嶋 葵衣
でも、さ…嫌な予感がする
カタカナは、命花のみ。
川嶋 葵衣
とりあえず、行ってみよう。何があっても大丈夫なように、準備して
漆原 神楽
…そうだね、校門で待ち合わせね。絶対に来てね
川嶋 葵衣
勿論!
それから教室に戻り、授業を受けた。
いつもと違い、落ち着かない時間。

この先に最悪の運命が待ち受けていること。
私達はそれを、まだ知らなかった。

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