花束の中に入っていたメッセージカードに、花言葉が書いてあった。
ダリアの花言葉だけ、離れていた。
裏切り、か。
後ろの席にいた、親友の川嶋 葵衣が私の指を見て叫ぶ。
アザミの葉の棘が刺さったところから、血が出ていた。
少し、ズキズキ痛む。
担任教師の茂木 弘幸がそう聞くが、誰も喋らない。
この中にいないか、知らない振りをしているか。
知らない振りをしている方が、可能性が高い。
花言葉まで書かれている…全て、本当なら。
私に恨みがある、ということだろうか。
オトギリソウ、恨み。
花束と中に、恨みの花言葉を持った花がある。
その他にもある。
リンドウ、悲しんでいる時の貴方が好き。
私が悲しんでいる時が好き、ということなのか。
ワスレナグサ、私を忘れないで。
ダリア、裏切り。
忘れないで…と、裏切り。
これは私のこと? それとも送ってきた人物がやったこと?
葵衣が見ていられなくなったようだ。
血はまだ出ている。
いつもだったら、固まるはずなのに…。
どうしてかはわからないけど、保健室に行った方がよさそうだ。
席を立って、葵衣と一緒に教室を出る。
葵衣は、小さい頃から一緒にいる幼馴染だ。
大切な親友。
葵衣の席には、なかった。
私の机の中にだけ、あったということだろうか。
デスゲーム参加者…ね。